用語酸化炉CVD装置最終更新 2026-10-10出典 2件Excel・PDF版

酸化膜(シリコン酸化膜)とは

Oxide Film (Silicon Dioxide)

酸化膜とは、半導体では主にシリコン酸化膜(SiO₂)を指し、バンドギャップ約9eVの優れた絶縁膜です。酸化炉でシリコンを800〜1200℃で酸化させる熱酸化膜と、TEOSなどを原料に400℃前後で堆積するCVD酸化膜があり、ゲート絶縁膜・素子分離・層間絶縁膜・ハードマスクなどに使われます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

酸化膜とは、物質の表面が酸化してできた膜、または酸化物でできた膜のことです。半導体では主にシリコン酸化膜(SiO₂、二酸化ケイ素)を指し、現場では単に「酸化膜」「オキサイド」と呼びます。SiO₂はバンドギャップ約9eVの優れた絶縁体で、シリコンとの界面の欠陥が少なく、しかもシリコンを加熱するだけで良質な膜ができます。この性質は、シリコンが半導体の主役になった大きな理由の一つです。

酸化膜は作り方によって、熱酸化膜とCVD酸化膜に大きく分けられます。熱酸化膜は、酸化炉でシリコンを800〜1200℃の酸素(ドライ酸化)や水蒸気(ウェット酸化)の中で加熱して作ります。緻密で界面の特性に優れるため、ゲート酸化膜やパッド酸化膜に使われます。シリコン自身が酸化されて膜になるため、膜厚の約44%は元のシリコン表面より下側にできます。CVD酸化膜は、TEOSやシランを原料に400℃前後で堆積させる膜で、下地を選ばず厚く付けられるため、層間絶縁膜(NSG・BPSG)やSTIの埋め込み、ハードマスクに使われます。このほか、シリコンを空気中に置くだけで自然にできる厚さ1〜2nm程度の自然酸化膜もあります。

酸化膜の用途は、ゲート絶縁膜、素子分離(LOCOS・STI)、イオン注入のマスクや表面保護、配線間の層間絶縁膜、エッチングのハードマスクなど多岐にわたります。膜厚はエリプソメータや光干渉式の膜厚計で測定し、除去にはフッ酸(DHF・BHF)によるウェットエッチングや、フッ素系ガスのプラズマによるドライエッチングを使います。微細化でゲート酸化膜が1nm前後まで薄くなると、トンネル電流によるリークが増えたため、45nm世代以降は酸化ハフニウム(HfO₂)などの高誘電率(high-k)膜に置き換えられ、性能は酸化膜換算膜厚(EOT)で比較されるようになりました。

図解

熱酸化膜とCVD酸化膜の比較(作り方・温度・膜質・用途)
熱酸化はシリコンを消費して膜になり、CVDは上に積み増す。

よくある質問(FAQ)

熱酸化膜とCVD酸化膜の違いは何ですか?
熱酸化膜はシリコン自身を高温で酸化させて作る膜で、緻密で界面の欠陥が少なく、ゲート酸化膜などの高品質な用途に使われます。CVD酸化膜は原料ガスの反応で膜を堆積させる方法で、低温で下地を選ばず厚く付けられるため、層間絶縁膜や埋め込みに使われます。同じSiO₂でも、CVD膜のほうがフッ酸でのエッチング速度が大きくなります。
酸化膜はどうやって除去しますか?
ウェットでは希フッ酸(DHF)やバッファードフッ酸(BHF)で溶かし、ドライではCF₄やC₄F₈などフッ素系ガスのプラズマでエッチングします。シリコン表面の自然酸化膜は、成膜やエピタキシャル成長の直前に希フッ酸処理で除去するのが一般的です。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 島根大学「シリコン熱酸化膜成長速度の簡単な理論」(2026/10/10 確認)
  2. 日本金属学会「Siウエハの熱酸化に関する基礎研究の現状(日本金属学会会報 27巻4号)」(2026/10/10 確認)