クリーンスーツ(無塵衣)とは、クリーンルームで働く人が着る、全身を覆う専用の作業服です。人の体からは、皮膚のかけら、髪の毛、汗、呼気、衣服の繊維などのパーティクルが、動くたびに大量に出ています。クリーンスーツは、それらを服の中に閉じ込めてクリーンルームの中に出さないこと、そして服そのものからもちりを出さないことを目的としています。
生地には、糸くずが出にくいポリエステルの長い繊維(フィラメント)を細かく織ったものが使われ、静電気を逃がすために炭素などの導電性の糸を格子状に織り込んでいます。静電気がたまると、ちりを引き寄せたり、放電で半導体を壊したりするためです。半導体の工場では、フードで頭と首を覆い、全身をつなぎの服で包み、専用のブーツ、マスク、手袋、ゴーグルを着けて、肌が出る部分をほとんどなくします。
クリーンスーツは、決められた順番で正しく着ないと、効果が大きく下がります。着る場所(更衣室)、着る順番、手袋とそで口の重ね方などが決められており、定期的に専用の工場でクリーニングして、ちりの数と静電気の性能を確かめてから再び使います。人が動き回るほどパーティクルが出るため、クリーンルームの中では走らないことなども入室の決まりとして定められています。