SEMI S8とは、半導体の製造装置を、作業者が安全で無理のない姿勢で操作・保守できるように設計するための、人間工学(エルゴノミクス)の指針を定めたSEMIの規格です。装置の安全全般の指針であるSEMI S2と組み合わせて使われ、S2の中でも、人間工学の面はS8に従って評価することが求められています。
規格では、操作のボタンや表示の画面の高さ、手が届く範囲、作業する場所の広さ、保守のときに持ち上げる部品の重さ、扉やパネルを開け閉めする力、工具を使う姿勢などについて、作業者の体格の違いも考えた目安を示しています。たとえば、重い部品を持ち上げる作業や、無理な姿勢で長い時間続ける作業は、腰や肩を痛める原因になるため、補助の器具や設計の工夫で避けるよう求めています。
装置のメーカーは、新しい装置を出荷する前に、第三者の評価機関などによるS2・S8の評価を受け、その報告書を半導体メーカーに提出するのが一般的です。保守の作業がしやすい設計は、作業者の安全だけでなく、保守の時間を短くし、装置の止まる時間を減らすことにもつながります。