イオン交換樹脂とは、水の中に溶けているナトリウムやカルシウム、塩化物、硫酸などのイオンを、自分が持っている水素のイオン(H⁺)や水酸化物のイオン(OH⁻)と入れ替えて(交換して)取り除く、小さな粒の形をした樹脂です。半導体の工場で使う超純水を作る装置の中心となる材料の1つです。
プラスのイオンを取り除く陽イオン交換樹脂は、ナトリウムなどのイオンを取り込んで代わりにH⁺を出し、マイナスのイオンを取り除く陰イオン交換樹脂は、塩化物などのイオンを取り込んで代わりにOH⁻を出します。出てきたH⁺とOH⁻は結びついて水(H2O)になるため、両方の樹脂を混ぜた層(混床)に水を通すと、イオンがほとんどない純粋な水になります。理論上、純粋な水の比抵抗は25℃で約18.2MΩ·cmで、超純水はこの値に近づけて管理されます。
樹脂は、イオンを取り込み続けるとやがて交換できなくなるため、塩酸や水酸化ナトリウムを流して元の状態に戻す(再生する)か、新しいものに交換します。超純水の装置では、前段で逆浸透膜などで大部分の不純物を取り除いた後、イオン交換樹脂で残ったイオンを取り除き、さらに使う場所の近くで、再生せずに使い捨てる高純度の樹脂(カートリッジポリッシャー)で仕上げます。