ケミカルフィルタとは、空気の中に気体の分子の形で含まれている汚染物質(分子状汚染物質:AMC)を、吸着や化学反応で取り除くためのエアフィルタです。ULPAフィルタやHEPAフィルタは粒子を取り除くためのもので、分子の大きさの汚染物質は素通りしてしまうため、それを取り除く専用のフィルタとして使われます。
取り除きたい汚染物質の種類に合わせて、濾材を使い分けます。有機物には活性炭、アンモニアやアミンのような塩基性の物質には酸を染み込ませた活性炭やイオン交換の繊維、酸性の物質にはアルカリを染み込ませた濾材を使います。これらを組み合わせて、外気を取り入れる空調機、天井のFFU、ウェハの保管庫(ストッカー)、装置の前のEFEMなどに取り付けます。
ケミカルフィルタは、粒子のフィルタと違い、吸着できる量に限りがあり、使ううちに性能が落ちて、ある時点から汚染物質が通り抜け始めます(破過)。そのため、フィルタの前後の空気の汚染物質の濃度を測ったり、使用時間で交換の時期を決めたりして管理します。アミンは化学増幅型レジストのパターンの不良を、酸性のガスは配線の腐食を起こすため、工程に合わせた汚染物質の管理が重要です。