AMC(Airborne Molecular Contamination:分子状汚染物質)とは、クリーンルームの空気中に、粒子ではなく気体の分子の形で漂っている汚染物質のことです。パーティクル(微粒子)はHEPAやULPAのフィルタで取り除けますが、分子の大きさの汚染物質はフィルタを素通りしてしまうため、別の対策が必要です。濃度はppb(10億分の1)やppt(1兆分の1)という非常に低い単位で管理されます。
AMCは性質によって、酸(フッ化水素、塩化水素、硫黄酸化物など)、塩基(アンモニア、アミンなど)、凝縮しやすい有機物(シロキサン、可塑剤など)、ドーパント(ボロン、リンなど)に分類されます。発生源は、外気、薬液やガスの使用、作業者、建材や床材、配管の部材、フィルタの材料そのものなど、さまざまです。
影響は種類によって違います。塩基は化学増幅型レジストの酸を打ち消してパターンの不良(Tトップ)を起こし、酸は配線の腐食の原因になります。有機物はウェハやレンズの表面に付いて膜の密着性を下げ、フォトマスクやペリクルの表面にくもり(ヘイズ)を生じさせます。ドーパントは意図しない不純物としてトランジスタの特性を変えます。対策として、活性炭やイオン交換体を使ったケミカルフィルタ、FOUPや装置の中の窒素パージ、工程間の待ち時間(Q-Time)の管理が行われます。