FLOPS(フロップス、Floating-point Operations Per Second)とは、コンピュータが1秒間に何回の浮動小数点数の演算(小数を含む数の足し算やかけ算)を実行できるかを表す性能の指標です。数が大きいため、T(テラ、10の12乗)、P(ペタ、10の15乗)、E(エクサ、10の18乗)などの単位を付けて表します。
チップの理論上の最大のFLOPS(ピーク性能)は、演算器の数×動作周波数×1サイクルあたりの演算の数で計算できます。同じチップでも、数の精度によって値が大きく変わるのが特徴で、科学技術計算で使う64ビット(FP64)、一般的な32ビット(FP32)、AIでよく使う16ビット(FP16・BF16)や8ビット(FP8)、さらに4ビット(FP4)と精度を下げるほど、同じ回路で多くの演算ができ、FLOPSが大きくなります。AI向けのGPUでは低い精度でペタFLOPS級の性能をうたいます。整数の演算ではTOPS(1秒あたりの演算の兆回数)という単位を使います。
スーパーコンピュータの性能を比べるTOP500のランキングでは、FP64でのLINPACKという計算の実測値が使われ、2022年に初めてエクサFLOPS級のシステムが登場しました。ただし、実際のアプリケーションでは、メモリからデータを運ぶ速さ(メモリ帯域)が追いつかず、ピーク性能を出し切れないことが多くあります。そのため、AIの半導体ではFLOPSと並んで、HBMなどのメモリの帯域が重要な性能の指標になっています。