用語AI(人工知能)プロセッサ(CPU・GPU・AIアクセラレータ)最終更新 2026-10-10出典 1件Excel・PDF版

FLOPS(演算性能)とは

FLOPS

FLOPSとは、コンピュータが1秒間に何回の浮動小数点数の演算を実行できるかを表す性能の指標で、テラ・ペタ・エクサなどの単位で表します。同じチップでも数の精度を下げるほど大きくなり、AI向けGPUは低精度でペタFLOPS級をうたいます。実際の性能はメモリの帯域で頭打ちになりやすく、HBMの帯域も重要な指標です。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

FLOPS(フロップス、Floating-point Operations Per Second)とは、コンピュータが1秒間に何回の浮動小数点数の演算(小数を含む数の足し算やかけ算)を実行できるかを表す性能の指標です。数が大きいため、T(テラ、10の12乗)、P(ペタ、10の15乗)、E(エクサ、10の18乗)などの単位を付けて表します。

チップの理論上の最大のFLOPS(ピーク性能)は、演算器の数×動作周波数×1サイクルあたりの演算の数で計算できます。同じチップでも、数の精度によって値が大きく変わるのが特徴で、科学技術計算で使う64ビット(FP64)、一般的な32ビット(FP32)、AIでよく使う16ビット(FP16・BF16)や8ビット(FP8)、さらに4ビット(FP4)と精度を下げるほど、同じ回路で多くの演算ができ、FLOPSが大きくなります。AI向けのGPUでは低い精度でペタFLOPS級の性能をうたいます。整数の演算ではTOPS(1秒あたりの演算の兆回数)という単位を使います。

スーパーコンピュータの性能を比べるTOP500のランキングでは、FP64でのLINPACKという計算の実測値が使われ、2022年に初めてエクサFLOPS級のシステムが登場しました。ただし、実際のアプリケーションでは、メモリからデータを運ぶ速さ(メモリ帯域)が追いつかず、ピーク性能を出し切れないことが多くあります。そのため、AIの半導体ではFLOPSと並んで、HBMなどのメモリの帯域が重要な性能の指標になっています。

図解

FP64・FP32・FP16・FP8などの数の精度とFLOPSの関係
整数の演算では、TOPS(1秒あたりの演算の兆回数)を使う。

よくある質問(FAQ)

同じGPUでFLOPSの値がいくつもあるのはなぜですか?
数の精度(ビット数)ごとに演算の速さが違うからです。64ビットより16ビット、16ビットより8ビットのほうが1つの演算に必要な回路が小さく、同じ時間に多くの演算をこなせます。そのため、FP64・FP32・FP16・FP8などの精度ごとにFLOPSが示されます。比べるときは精度をそろえる必要があります。
FLOPSが高ければ、AIの処理は必ず速くなりますか?
必ずしもそうではありません。演算器がいくら速くても、メモリからデータを運ぶ速さ(メモリ帯域)が足りないと、演算器がデータ待ちで止まってしまいます。特に大規模言語モデルの推論ではメモリ帯域が性能を決めることが多く、HBMの帯域や容量も合わせて見る必要があります。

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