分周器とは、入力された信号(クロック)の周波数を、整数分の1などに下げて出力する回路です。たとえば100MHzのクロックを2分周すると50MHz、10分周すると10MHzになります。チップの中で、1つの元のクロックから、回路ごとに必要な異なる周波数のクロックを作るのに使われます。
最も簡単な分周器は、入力のクロックが来るたびに出力を反転させるフリップフロップで、これで周波数が2分の1になります。これを何段もつなぐと4分の1、8分の1と下げられ、カウンタを使えば任意の整数で割れます。高い周波数を扱う場合は、最初に高速なプリスケーラで大まかに分周し、その後を低速な回路で細かく分周します。
分周器の重要な用途は、PLL(位相同期回路)です。PLLでは、発振器の出力を分周器でN分の1にして基準のクロックと比べ、両者が一致するように発振器を制御するため、結果として基準のN倍の周波数のクロックが得られます。Nを整数だけでなく小数にもできる「分数分周(フラクショナルN)」を使うと、周波数を細かく設定でき、無線通信の周波数の合成や、高速インターフェースのクロックの生成に使われています。