全加算器と半加算器は、2進数の足し算を行う最も基本のデジタル回路です。半加算器は1桁の2進数A・Bを足し、その桁の答え(和S)と、上の桁への繰り上がり(キャリーC)を出します。和はAとBの排他的論理和(S=A XOR B)、繰り上がりは論理積(C=A AND B)で表せます。
全加算器は、A・Bに加えて、下の桁からの繰り上がり(キャリー入力Cin)も足せる回路です。和は S=A XOR B XOR Cin、繰り上がりは Cout=(A AND B) OR (Cin AND (A XOR B)) で表され、半加算器2つとOR回路1つで作れます。何桁もの数を足すには、全加算器を桁の数だけ並べ、下の桁の繰り上がりを上の桁へ順に渡します(リプルキャリー加算器)。
リプルキャリー加算器は簡単ですが、繰り上がりが下の桁から上の桁まで順に伝わるのを待つ必要があり、桁が多いと遅くなります。そのため、繰り上がりを前もって計算するキャリールックアヘッド加算器など、速い構成が工夫されています。加算器は、CPUの演算装置(ALU)、かけ算器、AIの計算で大量に使う積和演算器(MAC)の土台で、CMOSの全加算器は20数個程度のトランジスタで作られます。