最終更新 2026-10-19

電子グレード薬品とは(高純度薬液)

Electronic Grade Chemicals

電子グレード薬品(高純度薬液)とは、半導体の製造で使うために、金属や微粒子などの不純物を極限まで取り除いた薬品で、フッ酸、硫酸、過酸化水素水などがあります。わずかな金属がウェハに付くと特性や信頼性が落ちるため、最先端の工程では金属の不純物を1兆分の1(ppt)のレベルまで下げることが求められます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

電子グレード薬品(高純度薬液)とは、半導体や液晶パネルの製造で使うために、金属や微粒子などの不純物を極限まで取り除いた薬品のことです。フッ化水素酸(フッ酸)、硫酸、過酸化水素水、アンモニア水、塩酸、硝酸、IPA(イソプロピルアルコール)などが代表で、ウェハの洗浄やエッチングに大量に使われます。一般の工業用や試薬用の薬品とは、純度の水準がまったく違います。

半導体の工程では、薬液に含まれるわずかな金属がウェハの表面に付くと、ゲート酸化膜の信頼性の低下や接合のリーク電流の増加につながります。そのため、最先端の工程向けの薬液では、ナトリウム・鉄・銅などの金属の不純物を、1兆分の1(ppt)のレベルまで下げることが求められます。パーティクルについても、液体1mLあたりに含まれる微小な粒子の数が厳しく管理されます。SEMIの規格では、用途に応じた純度の等級(グレード)が定められています。

高い純度を保つには、作るときの精製(蒸留やイオン交換など)だけでなく、容器、配管、ポンプ、フィルタなど、薬液が触れるすべての部材からの溶け出しを抑えることが重要です。工場の中では、薬液供給システム(CDS)が薬液をタンクから装置まで清浄なまま送り、使う直前のユースポイントでも濾過します。日本の化学メーカーは、高純度のフッ酸などで世界的に高いシェアを持っています。

図解

精製、充填と輸送、薬液供給システム、ユースポイントでの濾過までの電子グレード薬品の純度を保つ流れ
求められる純度は工程の世代や薬液の種類によって異なる。

よくある質問(FAQ)

電子グレード薬品と試薬の違いは何ですか?
試薬は実験や分析に使う薬品で、成分の純度が保証されていますが、半導体で問題になるppt(1兆分の1)レベルの金属や微小な粒子までは管理されていません。電子グレード薬品は、ウェハの製造で問題になる不純物の種類と量を、はるかに厳しい水準で管理しています。
なぜ薬液の容器や配管まで管理が必要なのですか?
薬液をいくら精製しても、触れる容器や配管、ポンプ、フィルタの材料から金属や有機物が溶け出したり、粒子が出たりすると、純度が下がってしまうためです。フッ素樹脂などの溶け出しにくい材料を使い、工場の中でも清浄な経路で運び、使う直前にもう一度濾過します。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 表面技術協会「薬品の高純度化(表面技術 45巻1号)」(2026/10/19 確認)
  2. 表面技術協会「ウェットプロセスで用いられている高性能薬液(表面技術 50巻10号)」(2026/10/19 確認)