電離真空計とは、真空の中に残った気体の分子を電子でたたいてイオンにし、そのイオンの電流の大きさから圧力を求める真空計です。イオンの数は気体の分子の数(圧力)にほぼ比例するため、非常に低い圧力まで測れ、高真空から超高真空の測定に使われます。電子を作る方法によって、加熱したフィラメントから電子を出す熱陰極型と、磁場の中の放電を使う冷陰極型があります。
熱陰極型の代表がB-A型(ベイヤード・アルパート型)で、細い線のイオンを集める電極をグリッドの中心に置くことで、軟X線による誤差を減らし、おおむね10⁻¹〜10⁻⁸Pa程度以下まで測れます。冷陰極型は、磁場で電子をらせん状に長く走らせて放電を続ける方式で、フィラメントがないため丈夫で、圧力の高いところで壊れる心配が少ないのが特長です。
電離真空計の値は、気体の種類によって変わります。気体ごとにイオンになりやすさが違うため、ふつうは窒素で目盛りが合わせてあり、ほかの気体では補正の係数を掛けます。熱陰極型は、圧力の高いところでフィラメントを点けると焼き切れるため、ピラニ真空計などで十分に圧力が下がったのを確かめてから点灯します。そのため、両方を1つにまとめた複合型の真空計がよく使われます。