三フッ化窒素(NF3)とは、窒素1個にフッ素3個が結びついた無色の気体で、半導体や液晶パネルの製造で、主にCVD装置のチャンバーの中に付いた膜を取り除く(クリーニングする)ために使われるガスです。プラズマでNF3を分解すると反応しやすいフッ素の原子ができ、壁に付いたシリコンや酸化膜、窒化膜と反応して、気体にして排気できます。
NF3は、離れた場所でプラズマを作ってフッ素の原子だけをチャンバーへ送り込むリモートプラズマのクリーニングと組み合わせて使われることが多く、ガスの大部分を分解して使い切れるため効率がよいのが特長です。以前はC2F6やCF4などのガスがクリーニングに使われていましたが、使用量と温室効果ガスの排出を減らせるNF3への切り替えが進みました。液晶パネルや太陽電池の大型の装置でも大量に使われます。
NF3は、二酸化炭素の約1万6,000倍の強い温室効果を持つガスで、京都議定書の第2約束期間から温室効果ガスの対象に加えられました。そのため、使い切らずに残ったNF3は除害装置で確実に分解します。また、常温では比較的安定ですが、強い酸化剤で、高い温度では金属や有機物と激しく反応するため、扱いには注意が必要です。