ピラニ真空計とは、細い金属の線(フィラメント)を電流で温め、まわりの気体が熱を奪う量が圧力によって変わることを利用して圧力を測る真空計です。気体の分子が多い(圧力が高い)ほど、線にぶつかって熱を持ち去るため、線の温度が下がり、電気抵抗が変わります。この変化から圧力を求めます。1906年にドイツの物理学者ピラニが考案しました。熱伝導型の真空計の代表です。
測れる圧力の範囲は、おおむね0.1Pa程度から大気圧に近い領域までです(気体の対流の効果を使う種類では大気圧まで)。低真空から中真空を安く簡単に測れるため、ロードロック室やポンプの排気の状態の監視、高真空のポンプを起動してよいかの判断など、真空装置のいたるところで使われています。
ピラニ真空計の値は、気体の種類によって変わることに注意が必要です。気体によって熱の伝えやすさが違うため、ふつうは窒素(空気)で目盛りが合わせてあり、ヘリウムやアルゴンなど別の気体を測ると、実際の圧力と違う値を示します。プロセスの圧力を正確に管理する場合は、気体の種類によらない隔膜真空計(キャパシタンスマノメータ)が使われます。