四フッ化炭素(CF4)とは、炭素1個にフッ素4個が結びついた無色の気体で、最も単純なパーフルオロカーボン(PFC)です。半導体の製造では、シリコン酸化膜や窒化膜、シリコンなどを削るドライエッチングのガスとして、またかつてはCVD装置のチャンバーのクリーニングのガスとしても使われてきました。プラズマで分解すると、フッ素の原子とCF3などの断片ができ、膜と反応します。
エッチングでは、CF4に酸素や水素、アルゴンなどを混ぜて、削る速さや削りたい膜と残したい膜の削れ方の比(選択比)を調整します。炭素の割合が多いC4F8やC4F6などのガスと組み合わせると、側壁や下の層に炭素とフッ素の保護膜(ポリマー)が付きやすくなり、酸化膜を選んで深く削ることができます。CF4は保護膜を作る力が弱く、削る力の強いガスとして使い分けられます。
CF4は非常に安定な分子で、大気中に約5万年も残り、100年間の地球温暖化係数は二酸化炭素の約6,600倍とされています。プラズマの中でも分解しにくく、エッチングに使ったほかのPFCが分解・再結合してCF4ができることもあります。分解するには非常に高い温度が必要で、PFCの中でも除害装置で取り除くのが最も難しいガスの1つです。