シーズニング(Seasoning)とは、エッチング装置やCVD装置のチャンバー(処理室)を、製品のウェハを処理する前に、ダミーのウェハなどを使って何度か運転し、チャンバーの内壁の状態を安定させる作業のことです。英語で料理の「下味付け」や、鉄の鍋を使う前に油をなじませる「慣らし」を意味し、コンディショニングとも呼ばれます。
シーズニングが必要なのは、チャンバーの内壁の状態がプロセスの結果に大きく影響するためです。プラズマを使う装置では、内壁に付いた膜がラジカルを吸着・放出したり、内壁から成分が放出されたりして、プラズマの中の成分のバランスが変わります。チャンバーを清掃した直後や部品を交換した直後は内壁がむき出しの状態のため、最初の数枚の製品だけエッチングの速さや膜厚が狙いからずれる「ファーストウェハ効果」が起こります。シーズニングで内壁を製品の処理中と同じような膜で覆っておくと、1枚目から安定した結果が得られます。
シーズニングは、定期的なウェットクリーニング(チャンバーを開けて部品を清掃・交換する保守)の後や、装置を長く止めた後に行うほか、CVD装置では、三フッ化窒素(NF₃)などのプラズマで内壁の堆積物を除くin-situクリーニングの後に、決まった膜をチャンバーに付けるシーズニングを毎回組み込むこともあります。一方で、シーズニングの間は製品を処理できず、ダミーのウェハや材料も消費するため、装置の稼働率を下げる要因になります。シーズニングの時間と回数をどれだけ減らせるかは、チャンバーの部品の材料やコーティング、清掃方法の改善の目標の一つです。