ミニエンバイロメント(局所清浄化)とは、クリーンルームの建屋全体を極めて高い清浄度に保つのではなく、ウェハが置かれたり運ばれたりする小さな空間だけを、仕切りで囲って特に清浄に保つ考え方と、そのための設備のことです。半導体の工場では、ウェハを入れる密閉容器(FOUP)、装置の前でウェハを出し入れするEFEM、容器のふたを開けるロードポートが、ミニエンバイロメントを作る代表的な設備です。
かつての工場では、ウェハをカセットにむき出しのまま入れて運んでいたため、部屋全体を非常に高い清浄度に保つ必要がありました。しかし、人や物の出入りがある広い部屋をその清浄度に保つには、大量の空気を高性能のフィルタに通し続けなければならず、空調の設備と電気代が膨大になります。1980年代にHewlett-Packardなどが、ウェハを小さな密閉容器に入れて運ぶSMIFの考え方を提案し、これが現在の300mmの工場のFOUPとEFEMにつながりました。
ミニエンバイロメントを使うと、部屋全体の清浄度は少し緩めながら、ウェハの周りだけを極めて高い清浄度に保てるため、清浄度を上げながら建設と運転のコストを下げられます。人とウェハが切り離されるため、人が出すパーティクルの影響も小さくなります。最近では、パーティクルだけでなく、FOUPやEFEMの中を窒素で満たして酸素や水分、分子状汚染物質からもウェハを守る取り組みが進んでいます。