プレナム(Plenum)とは、空気やガスを一時的に溜めて圧力をそろえ、多くの出口へ均一に分配するための空間のことです。英語で「充満した空間」を意味し、空調・建築の分野では天井裏や床下の空気の通り道を指します。半導体工場では、クリーンルームの気流を作るための天井や床下の空間を、装置では処理ガスを均一に吹き出すための部屋をプレナムと呼びます。
クリーンルームでは、天井から床へ向かって清浄な空気を一方向に流すことで、発生したパーティクルを素早く下へ押し流します。天井にはHEPA・ULPAフィルタとファンを組み合わせたファンフィルタユニット(FFU)が並び、その上の天井裏の空間(サプライプレナム)に空気を溜めて、すべてのFFUに同じ圧力で空気を送ります。空気は穴あきの床を抜けて床下の空間(リターンプレナム)に集まり、壁の中の通路(リターンシャフト)を上って天井へ戻り、再びフィルタを通って循環します。プレナムの圧力がそろっていることが、クリーンルーム全体で風速が均一な気流をつくる条件になります。
装置の中では、CVDやエッチング装置のシャワーヘッドの裏側がプレナムの代表例です。配管から入ってきたガスをいったんこの空間に溜めて圧力を均一にし、表面に開けた数百〜数千の小さな穴からウェハ全面に均一に吹き出します。プレナムの形や仕切り板の設計が悪いと、ガスの出方に偏りが出て膜厚やエッチング速度の面内分布が悪くなるため、装置の性能を左右する重要な部分です。