最終更新 2026-10-19

SiGeとは(シリコンゲルマニウム)

Silicon Germanium (SiGe)

SiGe(シリコンゲルマニウム)とは、シリコンとゲルマニウムを混ぜた結晶の半導体材料で、シリコンの製造技術と組み合わせて使えます。pMOSのソース・ドレインに埋め込んでチャネルを押し縮め、正孔を動きやすくするひずみ技術、高周波のHBT、GAAトランジスタを作るときに取り除く犠牲層として使われています。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

SiGe(シリコンゲルマニウム)とは、シリコンとゲルマニウムを混ぜ合わせた結晶の半導体材料です。ゲルマニウムの割合を変えることで、結晶の原子の間隔(格子定数)やバンドギャップを調整でき、シリコンの製造技術とそのまま組み合わせて使えるため、ロジックのトランジスタから高周波の回路まで幅広く使われています。ゲルマニウムの原子はシリコンより大きく、両者の格子定数は約4%違います。

最も代表的な用途は、ひずみによるトランジスタの高速化です。pMOSのソースとドレインの部分にSiGeを埋め込むようにエピタキシャル成長させると、原子の間隔の違いからチャネルのシリコンが押し縮められ、正孔が動きやすくなって電流が増えます。2003年ごろの90nm世代からIntelが量産に取り入れ、その後の世代の標準的な技術になりました。高周波の分野では、ベースにSiGeを使ったHBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)が、通信用のICやレーダーで使われています。

GAA(ナノシート)トランジスタの製造でも欠かせません。シリコンとSiGeの薄い層を交互に積み重ね、後でSiGeの層だけを選んで取り除くことで、浮いたシリコンのナノシートが残り、その周りをゲートで囲みます。SiGeとシリコンを薬液やガスで選んで削り分けられることが、この構造を作る鍵になっています。pMOSのチャネルそのものにSiGeを使い、正孔の移動度を上げる技術も使われています。

図解

SiGeを中心に、ひずみ技術・SiGe HBT・GAAの犠牲層・pMOSチャネル・BiCMOS・光検出器の用途を並べた図
ゲルマニウムの割合は用途によって数%から数十%まで変わる。

よくある質問(FAQ)

SiGeでトランジスタが速くなるのはなぜですか?
SiGeはシリコンより原子の間隔が大きいため、pMOSのソースとドレインにSiGeを成長させると、間にあるチャネルのシリコンが両側から押し縮められます。圧縮のひずみがかかると、シリコンの中の正孔が動きやすくなり(移動度が上がり)、同じ電圧でより多くの電流が流れるため、トランジスタが速くなります。
GAAトランジスタでSiGeはどう使われますか?
シリコンとSiGeの薄い層を交互に積み重ねた後、SiGeの層だけを選んでエッチングで取り除きます。するとシリコンの層が宙に浮いたナノシートとして残り、その上下左右の周りをゲートで囲むことができます。SiGeは最終的に残らないため、犠牲層と呼ばれます。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 応用物理学会「高速・高機能化が進むSiGe HBT技術(応用物理 71巻3号)」(2026/10/19 確認)
  2. 電気学会「高性能SiGe HBT/BiCMOSデバイス技術(電気学会論文誌C 124巻2号)」(2026/10/19 確認)