CMP除去速度計算ツール(Preston式)
要点
CMPの除去速度はPreston式 RR = Kp × 圧力 × 相対速度 で近似できます。定盤とヘッドを同じ回転数で回すと、ウェハ上のどの点でも相対速度が「定盤の角速度 × 中心間距離」にそろい、速度起因の不均一がなくなります。Kpはスラリー・パッド・膜種で決まる実験定数なので、手元の実測値から逆算して使います。
Preston係数の較正(基準条件)
Preston係数 Kp66.7nm/min/(psi·m/s)
Kpはスラリー・パッド・被研磨膜の組み合わせで決まる実験定数です。手元の装置で一度測った除去速度から逆算し、条件を変えたときの予測に使います。
研磨条件
平均除去速度351nm/min
研磨時間(オーバーポリッシュ込み)1.71 分(103 秒)
平均相対速度1.75m/s
速度起因の面内不均一性(1σ)0.02%
圧力(SI単位)20.7kPa
ウェハ半径方向の除去速度分布
ここで計算しているのは相対速度だけに由来する分布です。実際の面内分布はヘッドのゾーン圧力、リテーナリングによるエッジの圧力集中、スラリーの供給ムラ、パッド温度の分布で大きく変わり、量産装置ではこれらをゾーン圧力で補正します。
ヘッド回転数と均一性(定盤回転数を固定)
| ヘッド回転数 | 平均相対速度 | 平均除去速度 | 不均一性(1σ) |
|---|---|---|---|
| 74 rpm(×0.80) | 1.76 m/s | 352 nm/min | 0.21 % |
| 84 rpm(×0.90) | 1.75 m/s | 351 nm/min | 0.05 % |
| 87 rpm(×0.94) | 1.75 m/s | 351 nm/min | 0.02 % |
| 93 rpm(×1.00) | 1.75 m/s | 351 nm/min | 0.00 % |
| 99 rpm(×1.06) | 1.75 m/s | 351 nm/min | 0.02 % |
| 102 rpm(×1.10) | 1.75 m/s | 351 nm/min | 0.05 % |
| 112 rpm(×1.20) | 1.76 m/s | 352 nm/min | 0.21 % |
Preston式とCMPの条件設定
Preston式 RR = Kp·P·V は、ガラス研磨の経験則として1927年に提案された式で、除去速度が圧力と相対速度の積に比例することを表します。CMPでも膜種ごとの近似としてよく成り立ち、圧力を上げるか回転数を上げれば研磨は速くなります。ただし圧力を上げすぎるとスクラッチやディッシングが増え、low-k膜のような機械強度の低い膜では剥離の危険もあるため、実際には2〜4psi前後で使われることが多くなっています。
定盤とヘッドを同じ向き・同じ回転数で回すと、ウェハ上のどの点でも相対速度が「定盤回転数×中心間距離」に等しくなります。それでも実機でヘッドをわずかに違う回転数にするのは、ウェハとパッドの同じ場所が周期的に重なるのを避け、パッドの摩耗とスラリーの分布を平均化するためです。
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