プラズマパラメータ計算ツール(デバイ長・シース)
最終更新:2026-09-26
要点
エッチング装置の典型的なプラズマ(電子密度10¹⁰〜10¹² cm⁻³、電子温度2〜5eV)のデバイ長は数十µm〜0.1mm 程度で、ウェハ表面にはその数十倍の厚さのシースができます。ウェハに入るイオンの量はプラズマ密度とボーム速度で、エネルギーはシース電圧で決まり、ICP ではこの2つを別々の電源で制御します。
入力
デバイ長 λD40.7 µm
シース厚さ(Child 則)1.02 mm
電子プラズマ周波数 fpe2.84 GHz
イオンプラズマ周波数 fpi10.5 MHz
ボーム速度 uB2,690m/s
ウェハに入るイオン電流密度2.63mA/cm²
イオン流束1.64×10¹⁶個/cm²·s
浮遊電位(プラズマ電位基準)-14.0V
電子の平均熱速度1.16×10⁶m/s
イオンのシース通過時間 / RF 周期80.4 ns / 73.7 ns(比 1.09)
デバイ球内の電子数28,300
無衝突シース・マクスウェル分布の電子を仮定した概算です。数十mTorr 以上の圧力ではシース内でイオンが衝突し、イオンのエネルギー分布が低エネルギー側に広がります。イオン通過時間が RF 周期より十分長い(比が1より大きい)と、イオンは平均のシース電圧で加速されます。
電子密度ごとの値(Te = 3 eV、Ar⁺、シース電圧 300 V)
| ne(cm⁻³) | デバイ長 | fpe | イオン電流密度 | シース厚 |
|---|---|---|---|---|
| 1×10⁹ | 407 µm | 284 MHz | 0.0263 mA/cm² | 1.02 cm |
| 1×10¹⁰ | 129 µm | 898 MHz | 0.263 mA/cm² | 3.23 mm |
| 1×10¹¹ | 40.7 µm | 2.84 GHz | 2.63 mA/cm² | 1.02 mm |
| 1×10¹² | 12.9 µm | 8.98 GHz | 26.3 mA/cm² | 323 µm |
プラズマの大きさの目安
プラズマは、全体としては電気的に中性ですが、デバイ長より短い距離では電荷の偏りが許される状態です。エッチング装置の典型的なプラズマ(電子密度10¹⁰〜10¹² cm⁻³、電子温度2〜5eV)のデバイ長は数十µm〜0.1mm程度で、ウェハや電極の表面にはデバイ長の数十倍の厚さのシース(電荷の偏った層)ができます。
ウェハに入るイオンの量はプラズマ密度とボーム速度で、エネルギーはシース電圧で決まります。ICP やマイクロ波のように密度を上げる電源と、ウェハ側のバイアス電源を分けた装置では、イオンの量とエネルギーを独立に制御できます。イオンがシースを通過する時間とRF周期の比は、イオンエネルギー分布が単峰になるか二峰に分かれるかを決め、バイアス周波数を選ぶ根拠になります。
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