用語エッチング装置イオン注入装置最終更新 2026-10-10出典 1件Excel・PDF版

チャージアップ(帯電)とは

Charge-up

チャージアップとは、プラズマ・イオンビーム・電子線から運ばれた電荷が絶縁物やウェハの表面に溜まって帯電する現象です。プラズマエッチングでは穴の底が帯電してイオンの軌道が曲がり形状不良を、イオン注入ではゲート酸化膜の破壊を、SEMでは像の乱れと計測誤差を引き起こします。電子による中和や条件の工夫で抑えます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

チャージアップ(Charge-up)とは、絶縁物やウェハの表面に、プラズマ・イオンビーム・電子線などから運ばれた電荷が逃げ場を失って溜まり、帯電する現象です。半導体製造では、プラズマエッチング、イオン注入、電子顕微鏡(SEM)による観察・計測の3つの場面で特に問題になります。溜まった電荷は電界を作り、飛んでくるイオンや電子の軌道を曲げたり、薄い絶縁膜を壊したりします。

プラズマエッチングでは、電子とイオンの動き方の違いから高アスペクト比の穴や溝の底が帯電します。電子は熱運動で方向がばらつくため細い穴の側壁の上部に捕まりやすく、ほぼ垂直に入るイオンは底まで届くので、穴の上部が負に、底が正に帯電します(エレクトロンシェーディング効果)。底の正電荷は後から来るイオンを押し返して曲げ、エッチングの停止や形状の乱れ、底の角が横に削れるノッチングを引き起こします。また、配線やゲート電極に集まった電荷がゲート酸化膜を通って流れると、酸化膜が劣化して信頼性が下がります(プラズマダメージ、アンテナ効果)。

イオン注入では、正イオンを打ち込み続けることでウェハ上のレジストや絶縁膜が正に帯電し、放電によって薄いゲート酸化膜が破壊されることがあります。このため注入装置では、低エネルギーの電子をウェハに浴びせて電荷を打ち消すプラズマフラッドガン(電子シャワー)を備えています。SEMでは、観察する絶縁物が電子線で帯電すると像が異常に明るくなったりドリフトしたりして、CD-SEMの寸法計測の誤差になります。加速電圧を下げる、走査の方法を工夫する、導電膜を付けるといった方法で帯電を抑えます。

図解

チャージアップ(帯電)が起こす不良(エッチング・イオン注入・SEM)と対策
電荷を運ぶ工程ではどこでも起こり得る。絶縁膜が多い先端構造ほど問題になる。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツールプラズマパラメータ計算ツール(デバイ長・シース)

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)イオン注入・熱処理エンジニア

よくある質問(FAQ)

エッチングでチャージアップが起こるとどうなりますか?
細い穴や溝の底が正に帯電し、後から入るイオンが押し返されて軌道が曲がります。その結果、エッチングが途中で止まる、形状が乱れる、底の角が横に削れるノッチングが起こるといった不良につながります。電荷がゲート酸化膜を通って流れると、酸化膜の劣化も起こります。
SEMのチャージアップはどう防ぎますか?
加速電圧を下げて試料に入る電子と出ていく電子の数を釣り合わせる、走査の速度や順序を変えて電荷を溜めない、試料に薄い導電膜を付けるといった方法があります。CD-SEMでは帯電が寸法の計測誤差になるため、測定条件の管理が重要です。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 日新イオン機器(イオン注入ディクショナリー)「チャージアップ」(2026/10/10 確認)