最終更新 2026-10-19

NRE費用とは(初期開発費)

NRE (Non-Recurring Engineering) Cost

NRE費用(初期開発費)とは、新しいチップを開発するときに量産前に一度だけかかる費用で、設計の人件費、EDAツール、IPのライセンス、検証、フォトマスク一式などが含まれます。微細化とともに急激に大きくなり、最先端の世代ではマスク一式だけで数十億円規模とされます。ASICとFPGAのどちらを選ぶかの判断に直結します。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

NRE費用(Non-Recurring Engineering:初期開発費)とは、新しいチップを開発するときに、量産を始める前に一度だけかかる費用のことです。設計の人件費、EDAツールの費用、IP(設計の部品)のライセンス料、検証の費用、そして製造に使うフォトマスク一式の費用などが含まれます。チップを1個作るごとにかかる製造の費用(単価)とは区別されます。

微細化が進むほど、NRE費用は急激に大きくなっています。設計と検証の規模が大きくなることに加え、最先端の世代では、露光の工程の数が増え、フォトマスクの枚数が増え、EUV用の高価なマスクも必要になるためです。最先端の世代では、マスク一式だけで数十億円規模になるとされ、設計全体を含めた開発費はさらに大きくなります。そのため、最先端のプロセスで専用のチップを作れるのは、大量に売れる製品を持つ企業に限られつつあります。

NRE費用は、どの方式でチップを作るかの判断に直結します。生産する数量が少なければ、NRE費用がほとんどかからないFPGAのほうが安く、数量が多ければ、NRE費用がかかっても1個あたりの単価が安いASICのほうが有利になります。複数の設計を1枚のウェハに相乗りさせて試作するMPW(マルチプロジェクトウェハ)や、既存のチップを組み合わせるチップレットは、NRE費用を抑えるための方法として使われています。

図解

設計と検証の人件費、EDAツール、IPのライセンス、フォトマスク一式というNRE費用の内訳と抑える方法
金額の規模は世代、回路の規模、契約の条件によって大きく異なる。

よくある質問(FAQ)

NRE費用はASICとFPGAの選択にどう関係しますか?
ASICは専用に設計して製造するため、NRE費用は大きいものの、量産時の1個あたりの単価は安くなります。FPGAは既製品を使うためNRE費用はほとんどかかりませんが、1個あたりの単価は高くなります。生産する数量がある数を超えるとASICのほうが総額で安くなるため、その分岐点を見て選びます。
なぜ最先端のプロセスほどNRE費用が高いのですか?
回路の規模が大きくなって設計と検証の手間が増えるうえ、露光の工程が増えてフォトマスクの枚数が多くなり、EUV用の高価なマスクも必要になるからです。さらに、最先端のIPのライセンス料やEDAツールの費用も高くなるため、開発費全体が世代ごとに大きく上がっています。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. ルネサス エレクトロニクス「ASIC Technology Handbook」(2026/10/19 確認)
  2. ルネサス エレクトロニクス「Programmable Mixed-Signal Technology Fills a Cost and Density Void for Logic ICs」(2026/10/19 確認)