用語ロジックプロセスマスク描画装置(EB描画)最終更新 2026-10-09Excel・PDF版

テープアウトとは

Tape-out

テープアウトとは、チップの設計がタイミング・DRC/LVS・電源網などの最終検証(サインオフ)をすべて通過し、最終レイアウトデータをファウンドリに引き渡して製造へ送り出すことです。かつて磁気テープでデータを送ったことが語源です。以降の修正はマスクの作り直しになり、先端ノードではマスクセットだけで数十億円規模とされます。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

テープアウトとは、チップの設計がすべての検証を通過し、最終的なレイアウトデータ(GDSIIまたはOASIS)をファウンドリに引き渡して製造工程へ送り出すことです。設計プロジェクトの最大の節目であり、この時点以降の修正はマスクの作り直しを意味するため、多額の費用と数か月の遅れを伴います。名前の由来は、かつてレイアウトデータを磁気テープに書き出してマスクメーカーに送っていたことにあります。

テープアウトの前には、サインオフと呼ばれる最終検証を一通り通過する必要があります。(1)静的タイミング解析(STA)で全コーナーのタイミングを満たすこと、(2)DRCとLVSで製造ルールと回路の一致に違反がないこと、(3)IRドロップとエレクトロミグレーションの解析で電源網が健全であること、(4)等価性検証で論理機能が変わっていないこと、などです。ファウンドリ側もデータを受け取った後、自社基準でDRCを再確認します。

テープアウトの費用は先端ノードほど高額です。1回のテープアウトで数十枚から百枚近いマスクを作る必要があり、5nmや3nmクラスではマスクセットだけで数十億円規模になるとされます。設計に誤りがあれば「リスピン」と呼ばれる再テープアウトが必要となり、費用だけでなく製品投入の遅れも招きます。配線層だけを修正する「メタルECO」で一部のマスクのみを作り直し、費用を抑える方法もあります。

テープアウトから最初のチップ(ファーストシリコン)が手元に届くまでは、プロセスの工程数に応じて数週間から3か月程度かかります。届いたチップはテスト装置で評価され、機能と性能が確認できれば量産へ進みます。試作段階では費用を抑えるため、複数の設計を1枚のマスクに相乗りさせるMPW(マルチプロジェクトウェハ)でテープアウトすることも一般的です。

図解

テープアウトまでのサインオフ検証の流れ(STA・DRC/LVS・電源網・等価性検証)
かつて磁気テープでデータを送ったことが語源。

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この用語を扱う職種

設計・デバイス開発PDKエンジニア(プロセス設計キット開発)事業・サプライチェーンファウンドリの顧客窓口(プログラムマネージャー)

よくある質問(FAQ)

テープアウトの語源は何ですか?
かつてレイアウトデータを磁気テープに書き出し、マスクメーカーやファウンドリへ送っていたことに由来します。現在はネットワーク経由でデータを渡しますが、設計完了を意味する言葉としてそのまま使われています。
テープアウトからチップが届くまでどれくらいかかりますか?
マスクの製作と前工程・後工程を経るため、プロセスの工程数に応じて数週間から3か月程度かかります。先端ノードほど工程数が多く、時間も長くなります。
リスピンとは何ですか?
テープアウト後に設計の誤りが見つかり、修正したデータで再度テープアウトすることです。マスクを作り直すため費用と時間が大きくかかります。配線層だけの修正で済む場合は、一部のマスクだけを作り直すメタルECOで対応することもあります。

設備の製造メーカー

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