SEMI E84とは、天井を走る自動搬送の車両(OHT)などの搬送装置と、製造装置の入口のロードポートの間で、ウェハの入った容器(FOUP)を安全に受け渡すための信号のやり取りを定めたSEMIの規格です。搬送の車両がFOUPを下ろしたり持ち上げたりするとき、装置の側が受け入れの準備ができているか、途中で何か起きていないかを、お互いに確かめ合いながら作業を進めます。
やり取りは、受け渡しを始める、準備ができた、作業中、完了した、といった意味を持つ十数本の信号で行います。たとえば、搬送の車両が「この場所に下ろしたい」と知らせ、ロードポートが「受け入れてよい」と返し、車両がFOUPを下ろして「完了した」と知らせ、ロードポートが受け取りを確かめる、という順番です。信号は、赤外線などを使った光通信の装置で、非接触でやり取りされることが一般的です。
決められた順番どおりに信号がそろわないと受け渡しが進まないため、FOUPの落下や、別の容器との衝突、作業中の装置への誤った搬入を防げます。異常があれば非常停止の信号で作業を止めます。300mmの工場で、ウェハをほぼすべて自動で運ぶためには欠かせない規格で、搬送の車両のメーカーと装置のメーカーが違っていても同じ方法で受け渡しができます。