SerDes(シリアライザ/デシリアライザ)とは

SerDes (Serializer/Deserializer)

最終更新:2026-10-03・エレクトロニクス|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

SerDes(シリアライザ/デシリアライザ)とは?

SerDes(シリアライザ/デシリアライザ)とは、チップ内の並列データを1本の高速シリアル信号に変換して送り、受信側で並列に戻す回路です。PCIe・イーサネット・USBなどの物理層の中核で、イコライザとCDRで波形の劣化を補い、112G・224G世代ではPAM4方式を使います。AIデータセンターではSerDesの帯域と電力が性能の制約になっています。

定義・解説

SerDes(Serializer/Deserializer、サーデス)とは、チップ内部の並列(パラレル)データを1本の高速な直列(シリアル)信号に変換して送り、受信側で元の並列データに戻す回路のことです。送信側のシリアライザと受信側のデシリアライザを合わせて呼びます。多数の配線を並べる並列伝送に比べ、配線の本数を減らしながら、1本あたり数十〜200Gbps超の高速でデータを送ることができます。

SerDesは、PCI Express、イーサネット、USB、SATA、CXLなど、チップとチップ、ボードとボードをつなぐ高速インタフェースの物理層(PHY)の中核です。高速の信号は、プリント基板の配線やケーブルを通る間に減衰し、波形がなまって隣のビットと混ざってしまいます。そのため送信側では信号を強調するFFE(フィードフォワード・イコライザ)、受信側ではCTLE(連続時間線形イコライザ)やDFE(判定帰還型イコライザ)で波形を補正し、受信データからクロックを取り出すCDR(クロック・データ・リカバリ)でタイミングを合わせます。最近の112Gbpsや224Gbpsの世代では、1回の信号で2ビットを送るPAM4方式が使われ、受信側でADコンバータとデジタル信号処理を使う構成も増えています。

生成AI向けのデータセンターでは、GPUやスイッチのチップが外部とやり取りするデータ量が急増し、SerDesの速度と本数、消費電力がシステム性能の制約になっています。チップの周囲に並べられるSerDesの数には限りがあるため、光トランシーバーをチップのすぐ近くに置くCo-Packaged Optics(CPO)や、チップレット間を短距離の並列配線でつなぐUCIeなどの技術も組み合わされています。SerDesの回路は設計が難しいため、SynopsysやCadenceなどのIPベンダーが設計資産(IP)として提供するほか、BroadcomやMarvellなどが自社で開発しています。

よくある質問(FAQ)

パラレル伝送ではなくシリアル伝送が使われるのはなぜですか?▾
並列伝送では多数の配線の間でタイミングのずれや干渉が起こり、速度を上げるほど揃えるのが難しくなります。SerDesを使ったシリアル伝送は、配線の本数を減らしながら、クロックをデータから取り出すことで1本あたり数十〜200Gbps超まで速度を上げられるため、高速インタフェースの主流になりました。
PAM4とは何ですか?▾
信号の電圧を4段階に分け、1回の信号で2ビットを送る変調方式です。0と1の2段階で送るNRZ方式と比べて、同じ信号の速さで2倍のデータを送れます。その代わり電圧の段差が小さくなり雑音に弱くなるため、高度なイコライザや誤り訂正と組み合わせて使われます。

設備の製造メーカー

Broadcom米国

ネットワーキング・ストレージ・Wi-Fiチップの大手ファブレスメーカー。AIネットワーキング用カスタムASIC…

Synopsys米国

世界最大のEDA(電子設計自動化)ソフトウェア企業。論理合成・配置配線・物理検証・TCAD・IPライセンスを提…

Cadence Design Systems米国

EDAとIPの世界2大メーカーの一つ。アナログ・カスタム・デジタルIC設計、PCB・システム解析、AI駆動のJ…

関連カテゴリ

関連用語

同じトピックの用語

設計・アーキテクチャ・次世代インターフェース・相互接続 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

Intel米国TSMC(台湾積体電路製造)台湾Siemens EDA(旧Mentor Graphics)米国NVIDIA米国Texas Instruments(TI)米国Analog Devices(ADI)米国

比較・違いを学ぶ

ASICとFPGAの違い(性能・コスト・用途の比較)
ASICは特定の処理に最適化した固定回路を半導体製造で作るチップで、量産時のコスト・性能・消費電力すべてで最高効率を発揮します。FPGAはプログラム可能なロジッ…
→
CXLとPCIeの違い(AI・HPCインターコネクト比較)
CXL(Compute Express Link)とPCIe(PCI Express)はいずれもCPU・GPU・アクセラレータ・メモリ間を接続するインターコネク…
→
RISC-VとARMの違い(ライセンス・エコシステム・用途の比較)
ARMはスマートフォン・組み込み機器で圧倒的シェアを持つ命令セットアーキテクチャ(ISA)で、ARM Holdings社がライセンスを管理し利用にはロイヤリティ…
→
チップレットとモノリシックの違い(設計アーキテクチャ比較)
モノリシック設計は全機能を1枚のダイに集積する従来手法で、インターコネクト遅延が最小限で設計がシンプルです。チップレット設計は機能ブロックを複数の小ダイ(チップ…
→
CPUとGPUの違い(アーキテクチャ・用途・製造プロセス比較)
CPU(Central Processing Unit)は少数の高性能コアで複雑な逐次処理を担う「汎用演算の司令塔」、GPU(Graphics Processi…
→
GPUとNPUの違い(AI推論・エッジAI比較)
GPU(Graphics Processing Unit)はデータセンターの大規模AI学習・推論に強い汎用並列プロセッサで、NPU(Neural Process…
→
← 用語集に戻る用語集をExcel・PDFで使う →