用語ロジックプロセスエレクトロニクス最終更新 2026-10-10出典 1件Excel・PDF版

スキュー(クロックスキュー)とは

Clock Skew

スキューとは、本来同じタイミングで届くべき複数の信号の到着時刻のずれのことで、特にクロックが各フリップフロップに届く時刻の差をクロックスキューと呼びます。配線の長さやバッファの遅延の違いで生じ、セットアップ時間とホールド時間の余裕を変えるため、クロックツリー合成で小さく抑え、静的タイミング解析で検証します。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

スキュー(Skew)とは、本来同じタイミングで届くべき複数の信号の到着時刻のずれのことです。英語で「ゆがみ・偏り」を意味します。デジタル回路で最も重要なのはクロックスキューで、1つのクロックの源から各フリップフロップ(記憶素子)までクロックが届く時刻の差を指します。複数の信号線で同時に送ったデータが届く時刻のずれは、データスキューと呼ばれます。

クロックスキューは、クロックを配る配線の長さや、途中のバッファの遅延、つながる素子の負荷の違い、製造のばらつきや温度・電圧の違いによって生じます。同期回路では、データを送る側と受け取る側のフリップフロップの間で、クロックの到着時刻がずれると、データを受け取れる時間の余裕が変わります。受け取る側にクロックが遅れて届けば、セットアップ時間の余裕は増えますがホールド時間の余裕は減り、早く届けばその逆になります。スキューが大きすぎると、タイミング違反で回路が正しく動かなくなります。

そのため設計では、クロックツリー合成(CTS)でバッファを配置して配線を枝分かれさせ、すべてのフリップフロップにできるだけ同時にクロックが届くようにし、静的タイミング解析(STA)でスキューを含めたタイミングを検証します。一方で、意図的にスキューを付けて厳しい経路に余裕を回す、有益なスキュー(ユースフルスキュー)という手法もあります。なお、クロックの周期ごとのタイミングの揺らぎはジッタと呼ばれ、場所によるずれであるスキューとは区別されます。高速のメモリやシリアル通信では、信号線ごとのスキューを測って補正する(デスキュー)回路が使われます。

図解

クロックスキューがセットアップ・ホールドに与える影響と原因・対策
スキューは、本来同時に届くべき信号の到着時刻のずれ。

よくある質問(FAQ)

スキューとジッタの違いは何ですか?
スキューは、同じクロックが場所によって届く時刻の差(空間的なずれ)です。ジッタは、同じ場所でクロックの周期やエッジの時刻がサイクルごとに揺らぐこと(時間的なずれ)です。どちらもタイミングの余裕を減らすため、設計で両方を考慮します。
クロックスキューはどう減らしますか?
クロックツリー合成で、クロックの源からすべてのフリップフロップまでの配線の長さとバッファの遅延がそろうようにクロックの配り方を設計します。そのうえで静的タイミング解析により、製造のばらつきや温度・電圧の条件を含めてタイミングを検証します。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. Cadence「Clock Tree Synthesis (CTS): The Backbone of Physical Design」(2026/10/10 確認)