用語成膜装置計測装置最終更新 2026-10-10出典 1件Excel・PDF版

ゲート容量とは

Gate Capacitance

ゲート容量とは、MOSトランジスタのゲート電極とチャネルなどとの間にできる静電容量です。中心はゲート絶縁膜の容量Cox=ε/toxで、大きいほど電流を流す能力が上がります。一方で切り替えのたびに充放電が必要な負荷になり、遅延と消費電力を増やします。High-k膜はリークを抑えながらCoxを稼ぐために導入されました。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

ゲート容量とは、MOSトランジスタのゲート電極と、その下のチャネル・ソース・ドレインとの間にできる静電容量のことです。ゲート絶縁膜をはさんだコンデンサとして働き、ゲート電圧でチャネルの電荷を引き寄せる強さ(電流を流す能力)と、トランジスタを切り替えるときに充放電が必要な負荷の大きさの両方を決めます。

中心になるのは、ゲート絶縁膜による単位面積あたりの容量 Cox = ε/tox です。εは絶縁膜の誘電率、toxは膜厚です。ドレイン電流はおおむね Cox に比例するため、絶縁膜を薄くしてCoxを大きくすることが、トランジスタの性能向上の基本的な手段でした。SiO₂が薄くなりすぎてトンネル電流によるリークが増えると、誘電率の高いHigh-k材料に置き換え、物理的には厚いままCoxを稼ぐ方法がとられました。その性能はSiO₂換算の膜厚であるEOTで比較します。

実際のゲート容量は、Coxだけでなく、ゲートとソース・ドレインの重なり部分の容量(オーバーラップ容量)や、ゲート側面と周囲の配線・コンタクトとの間のフリンジ容量(寄生容量)を含みます。さらにチャネル側の空乏層や反転層の容量、ポリシリコンゲートの空乏化、量子効果によるチャネルの厚みが直列に入るため、実効的な容量はCoxより小さくなります。

回路の速度と消費電力にはゲート容量が直接効きます。ゲートを切り替えるたびに容量を充放電するため、スイッチング時の消費電力は容量×電圧²×周波数に比例し、遅延時間も容量に比例します。微細化が進んだ世代では、性能を左右するCoxを増やしつつ、寄生容量を減らすことが重要で、FinFETやGAAではゲートとコンタクトの間の寄生容量を下げるために低誘電率のスペーサーなどが使われます。

パワー半導体では、ゲート容量はゲートの入力容量Ciss、帰還容量Crss(ミラー容量)などに分けて仕様書に記載され、ゲートドライバの設計やスイッチング損失の計算に使われます。ゲート容量の測定には、MOSキャパシタやトランジスタのC-V測定が用いられます。

図解

ゲート容量の利点(駆動電流)と欠点(遅延・消費電力)の比較
トランジスタの性能と回路の速さの両方に効く量。

よくある質問(FAQ)

ゲート容量が大きいと良いのですか、悪いのですか?
両面があります。ゲート絶縁膜による容量Coxが大きいほど、同じゲート電圧でチャネルに多くの電荷を集められ、トランジスタの電流が増えます。一方、ゲートとソース・ドレインや配線との間の寄生容量は充放電の負荷になるだけなので、小さいほど速く低消費電力になります。微細化ではCoxを増やして寄生容量を減らすことが目標になります。
パワーMOSFETのCissやCrssとは何ですか?
パワーMOSFETの仕様書に記載されるゲートまわりの容量です。Cissは入力容量でゲート-ソース間とゲート-ドレイン間の容量の和、Crssは帰還容量でゲート-ドレイン間の容量です。Crssはスイッチング中に電圧変化の影響を大きく受けるミラー効果を起こすため、スイッチング速度と損失を見積もるうえで特に重要です。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 東芝デバイス&ストレージ「3-14. MOSFET:容量特性」(2026/10/10 確認)