スカベンジャ(捕捉剤)とは、反応系の中の不要な物質を選んで取り込み、取り除く物質です。HKMGでは、チタンなどの金属が界面のSiO2層の酸素を引き抜いて薄くし、EOTを下げる酸素スカベンジングに使われます。エッチングでは、水素がフッ素を捕まえて保護膜を作りやすくし、選択比を高めます。
目次6項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
- 出典・参考資料
定義・解説
スカベンジャ(捕捉剤)とは、英語で「掃除をするもの」という意味で、化学の分野では、反応系の中にある不要な物質(酸素・フッ素・ラジカルなど)を選んで取り込み、取り除く働きを持つ物質を指します。半導体では、使われる場面によっていくつかの意味があります。
代表的なのは、high-k/メタルゲート(HKMG)での酸素スカベンジング(界面層スカベンジング)です。high-k膜とシリコンの間には、薄いSiO2の界面層ができ、これがゲート絶縁膜全体の電気的な厚さ(EOT)を押し上げます。そこで、ゲートの電極側にチタンなど酸素と結びつきやすい金属を置いて熱処理すると、界面層の酸素がhigh-k膜を通って金属側に引き抜かれ、界面層が薄くなってEOTを下げられます。ただし、引き抜きすぎると界面の品質が落ちて移動度や信頼性が下がるため、量の制御が重要です。
プラズマエッチングでは、フルオロカーボンのガスに水素を加えると、水素がフッ素原子を捕まえてフッ化水素にし、フッ素を減らす「フッ素のスカベンジャ」として働きます。フッ素が減ると炭素を多く含む保護膜ができやすくなり、酸化膜とシリコンの選択比を高められます。ほかにも、オゾン水の分解を抑えるためにラジカルを捕まえる物質を加えるなど、不要な成分を選んで取り除く目的で使われます。
図解
英語の scavenger は「掃除をするもの」という意味。よくある質問(FAQ)
酸素スカベンジングでなぜEOTが下がるのですか?
high-k膜とシリコンの間にできる薄いSiO2の界面層は誘電率が低く、ゲート絶縁膜全体の電気的な厚さ(EOT)を大きくしています。酸素と結びつきやすい金属が界面層の酸素を引き抜くと、界面層が薄くなるため、EOTが下がります。
エッチングで水素を加えると選択比が上がるのはなぜですか?
水素がプラズマの中のフッ素原子と結びついてフッ化水素になり、フッ素を減らすからです。フッ素が減ると、炭素を多く含む保護膜がシリコンの表面にできやすくなり、シリコンが削れにくくなる一方、酸化膜は酸素が保護膜を取り除くので削れ続けます。その結果、選択比が高まります。
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