PFCガスとは、四フッ化炭素(CF4)や六フッ化エタン(C2F6)などの、炭素とフッ素だけでできたパーフルオロカーボン類を指す言葉で、半導体業界では、同じように強い温室効果を持つ三フッ化窒素(NF3)や六フッ化硫黄(SF6)なども含めて、フッ素系の温室効果ガスをまとめて呼ぶことがあります。これらは、ドライエッチングと、CVD装置のチャンバーのクリーニングで大量に使われます。
PFCガスは、二酸化炭素に比べて同じ量あたりの温室効果(地球温暖化係数)が数千倍から2万倍以上と非常に大きく、大気中で分解されにくいため、CF4では数万年も残るとされます。プラズマの中ですべてが分解されるわけではないため、使った一部はそのまま排気されます。半導体の工場の温室効果ガスの排出のうち、自社で直接出す分(スコープ1)の大きな部分を占めます。
排出を減らす方法は大きく3つあります。1つ目は、排気を燃焼やプラズマ、触媒で分解する除害装置を使うこと。2つ目は、チャンバーのクリーニングを、装置の外でNF3を効率よく分解してからフッ素だけを送り込むリモートプラズマ方式に変えるなど、使い方を効率化すること。3つ目は、温室効果の小さい代わりのガスに切り替えることです。世界の半導体業界は1990年代から自主的な削減目標を掲げて取り組んでおり、近年は各社の脱炭素の目標の中でも重視されています。