短絡耐量(短絡耐量時間)とは

Short-circuit Withstand Capability

最終更新:2026-09-28・パワー半導体・SiCパワー半導体製造装置|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

短絡耐量(短絡耐量時間)とは?

短絡耐量とは、負荷の短絡などでパワー半導体に高電圧と大電流が同時にかかったとき、壊れずに耐えられる能力で、破壊までの時間(短絡耐量時間tsc)で表します。産業用IGBTは一般に約10μs、SiC MOSFETは数μs程度と短いため、ゲートドライバの不飽和検出(DESAT)などで数μs以内に保護します。

定義・解説

短絡耐量とは、負荷の短絡(ショート)などで、パワー半導体に電源の高い電圧と大きな電流が同時にかかったとき、壊れずに耐えられる能力のことです。通常は、短絡が起きてから素子が破壊するまでの時間、つまり保護回路が電流を止めるまでに許される時間(短絡耐量時間、tsc)で表します。モーター駆動のインバータなど、配線の事故や誤動作で短絡が起こりうる用途で重要な特性です。

通常の動作では、トランジスタがオンのときは電圧がほぼゼロ、オフのときは電流がほぼゼロのため、発熱は限られます。しかし短絡が起きると、素子に数百Vの電圧がかかったまま、定格の数倍〜10倍程度の電流が流れ、チップの中で膨大な熱が発生します。温度が急上昇すると、素子の熱暴走や、表面の電極の溶融、ゲートの破壊が起こります。産業用のIGBTは、一般に10μs程度の短絡耐量を持つように設計されてきました。

SiC MOSFETはチップが小さく電流密度が高いため、同じ定格のIGBTに比べて短絡耐量時間が短く、数μs程度のものが多いのが課題です。そのため、ゲートドライバでトランジスタのオン時の電圧(飽和電圧)を監視して短絡を検出する不飽和検出(DESAT)や、電流センサによる過電流検出で、短絡を数μs以内に見つけて素子を止めます。急に電流を切ると大きなサージ電圧が出るため、ゆっくり遮断するソフトターンオフも組み合わせます。短絡耐量は、オン抵抗やスイッチング性能とトレードオフの関係にあり、素子の設計で両者のバランスをとります。

よくある質問(FAQ)

短絡耐量時間とは何ですか?▾
パワー半導体が短絡状態、つまり高い電圧がかかったまま大電流が流れる状態になってから、破壊に至るまでの時間です。保護回路はこの時間内に短絡を検出して電流を止める必要があり、産業用IGBTでは10μs程度が一つの目安とされてきました。
SiC MOSFETの短絡耐量が短いのはなぜですか?▾
SiC MOSFETは同じ電流定格のシリコンIGBTよりチップが小さく、電流密度が高いため、短絡時の発熱がチップの小さな体積に集中して温度が急速に上がるからです。そのため、より高速な短絡検出と保護を組み込んだゲートドライバが使われます。

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