シェア試験とは、接合部に横方向(水平方向)から工具を押し当てて剥がし、剥がれるときの力(シェア強度)と壊れ方から接合の強さを調べる試験です。「シェア」は英語で「せん断」を意味します。対象によって、ワイヤボンディングのボール接合部を押すボールシェア試験、チップ全体を押すダイシェア試験、はんだボールやバンプを押すボールシェア・バンプシェア試験などがあります。
ボールシェア試験では、パッドの表面からわずかに浮かせた高さでシェアツールを水平に動かし、ボールを押し剥がします。ワイヤプル試験ではボールの付け根のワイヤが先に切れてしまうため、ボールとパッドの接合面そのものの強さはシェア試験でないと分かりません。剥がした後のパッドを顕微鏡で観察し、金とアルミの金属間化合物がどれだけ広く形成されているか(接合面積)も確認します。ワイヤボンディングのボールシェア試験はJEDEC JESD22-B116で、はんだボールのシェア試験はJESD22-B117で規定されています。
ダイシェア試験は、基板やリードフレームにダイボンディングしたチップを横から押し、接着剤やはんだの接合の強さを調べる試験で、MIL-STD-883のMethod 2019などに規定されています。試験の結果は、力の値に加えて、接着剤の中で壊れたか、界面で剥がれたか、チップ自体が割れたかといった破壊モードで判断します。ツールの高さや押す速度で結果が変わるため、条件をそろえて比較することが重要で、ボンドテスターと呼ばれる専用装置で行います。温度サイクル試験や高温放置などの信頼性試験の前後でシェア強度を比べ、接合部の劣化を評価することもあります。