スピンドルとは、工具やワークを取り付けて高速で回転させる軸(回転主軸)のことです。半導体の製造装置では、ウェハを個片に切り分けるダイシングソーのブレードや、ウェハを薄く削るバックグラインダーの砥石(ホイール)を回すスピンドルが代表的で、加工の精度と品質を左右する中核部品です。
ダイシングソーでは、厚さ数十μmのダイヤモンドブレードを、毎分3万〜6万回転程度の高速で回転させてウェハを切断します。この回転を振れなく安定して保つため、軸を圧縮空気の薄い膜で浮かせて支えるエアベアリング(空気軸受)式のスピンドル(エアスピンドル)が使われます。接触部分が無いため摩擦や発熱が小さく、回転の振れを1μm以下に抑えられます。スピンドルを2本持つデュアルスピンドルの装置では、1本目で溝を入れ、2本目で切り離すステップカットなどを効率よく行えます。バックグラインダーでは、粗研削用と仕上げ研削用の2本のスピンドルで砥石を回し、ウェハを数十μmまで薄くします。
スピンドルの回転の振れや振動、熱による軸の伸びは、切断面の欠け(チッピング)や、切断位置のずれ、研削面の厚さのばらつきに直結します。そのため、冷却水でスピンドルの温度を一定に保ち、回転数や負荷電流を監視して、ブレードの摩耗や異常を検出します。回転軸という意味では、CMP装置の研磨ヘッドや定盤、枚葉洗浄装置のスピンチャックの回転軸もスピンドルと呼ばれます。