砥粒(とりゅう:Abrasive)とは、研磨や研削で材料を削り取るために使う硬い微粒子のことで、研磨材とも呼ばれます。半導体では、CMP(化学機械研磨)のスラリー、シリコンウェハのラッピング・ポリッシング、ウェハの裏面研削やダイシングに使う砥石・ブレードなど、ウェハを平らにする・薄くする・切り分けるほぼすべての工程で使われます。砥粒の材質・大きさ・形・硬さが、削る速さと仕上がった表面の品質を決めます。
半導体で使われる主な砥粒は次のとおりです。(1)シリカ(SiO₂):コロイダルシリカやフュームドシリカとして、酸化膜・銅・タングステンのCMPやウェハの仕上げ研磨に最も広く使われます。(2)セリア(酸化セリウム:CeO₂):酸化膜と化学的に反応しやすく、少ない粒子で速く研磨でき、窒化膜に対して酸化膜を選択的に削れるため、STI(素子分離)のCMPに使われます。(3)アルミナ(Al₂O₃):硬く、金属のCMPやラッピングに使われます。(4)ダイヤモンド:最も硬く、裏面研削の砥石やダイシングブレード、SiCのような硬い基板の加工に使われます。
砥粒には、液体に分散させて研磨パッドと組み合わせて使う遊離砥粒と、樹脂や金属で固めて砥石やブレードにする固定砥粒があります。CMPのスラリーでは、平均の粒径に加えて、ごく少数混じる大きな粒子や凝集した塊が、ウェハに深い傷(スクラッチ)を付ける最大の原因になるため、粗大粒子の数を厳しく管理し、使用の直前にフィルタで除きます。砥石やブレードでは、ダイヤモンドの粒の大きさ(番手)と、それを固める結合材の種類で、削る速さと面の粗さ・欠け(チッピング)のバランスを調整します。