用語材料成膜装置最終更新 2026-10-10出典 2件Excel・PDF版

誘電率(比誘電率・k値)とは

Dielectric Constant

誘電率とは、絶縁体が電界の中で電荷を蓄えやすいかを表す値で、半導体では真空に対する比の比誘電率(k値)を使います。SiO₂は約3.9、HfO₂は約20〜25です。ゲート絶縁膜では大きな容量を得るため誘電率の大きいHigh-k膜を、配線間では信号の遅延を減らすため誘電率の小さいLow-k膜を使い分けます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

誘電率(Permittivity)とは、絶縁体(誘電体)が電界の中でどれだけ電荷を蓄えやすいか(分極しやすいか)を表す値です。半導体では、真空の誘電率に対する比を表す比誘電率(εr、Dielectric Constant)を使うのが一般的で、k値とも呼ばれます。2枚の電極の間に絶縁体を挟んだコンデンサの容量は、比誘電率に比例し、絶縁体の厚さに反比例します。

代表的な材料の比誘電率の目安は、真空が1、空気がほぼ1、シリコン酸化膜(SiO₂)が約3.9、窒化シリコンが約7、酸化アルミニウムが約9、酸化ハフニウム(HfO₂)が約20〜25、シリコンが約11.7、GaAsが約12.9です。配線の層間に使う低誘電率膜(SiOCなど)は2.5〜3.0程度、多孔質の膜では2.5を下回ります。プリント基板のFR-4は4前後、水は約80と非常に大きな値です。

半導体では、場所によって求められる誘電率が正反対です。トランジスタのゲート絶縁膜では、ゲートがチャネルを強く制御できるよう大きな容量が必要ですが、酸化膜を薄くしすぎると電子がトンネルしてリーク電流が増えます。そこで、誘電率の大きい高誘電率(High-k)膜を使い、物理的には厚くしながら、酸化膜に換算して薄い膜と同じ容量を得ます(EOT)。一方、配線の間の絶縁膜では、隣の配線との容量が信号の遅延と消費電力を増やすため、誘電率の小さい低誘電率(Low-k)膜や、空気の隙間を使うエアギャップが使われます。高速の基板でも、信号の損失や遅延を抑えるため、誘電率と誘電正接の小さい材料が選ばれます。

図解

誘電率を上げたいゲート絶縁膜(High-k)と下げたい配線間絶縁膜(Low-k)の比較
容量 = 誘電率 × 面積 ÷ 厚さ。どちらの目的かで材料の選び方が逆になる。

関連するデータ・ツール

データ比誘電率一覧(半導体材料)

よくある質問(FAQ)

SiO₂の比誘電率はいくつですか?
約3.9です。シリコン酸化膜は長くゲート絶縁膜や層間絶縁膜の標準材料だったため、高誘電率膜や低誘電率膜の性能は、この3.9を基準に比べられます。ゲート絶縁膜の電気的な厚さを表すEOTも、SiO₂に換算した厚さです。
High-kとLow-kはなぜ使い分けるのですか?
ゲート絶縁膜では、ゲートがチャネルを強く制御できるよう大きな容量が必要なため、誘電率の大きいHigh-k膜を使います。配線の間の絶縁膜では、配線どうしの容量が信号の遅延と消費電力を増やすため、誘電率の小さいLow-k膜を使います。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. HyperPhysics(ジョージア州立大学)「Polarization of Dielectric」(2026/10/10 確認)
  2. HyperPhysics(ジョージア州立大学)「Dielectric Constants at 20°C」(2026/10/10 確認)