ES(Engineering Sample:エンジニアリングサンプル)とは、新しい半導体の製品を量産する前に、顧客が評価や設計の検討を始められるよう提供する試作品のことです。CS(Commercial Sample:コマーシャルサンプル)は、量産と同じ設計・工程・試験で作られ、品質の保証を伴って提供されるサンプルで、量産品と同等のものです。
半導体の開発は、設計の完了(テープアウト)、最初のシリコン(ファーストシリコン)の評価、不具合の修正を経て、量産へと進みます。ESはこの途中の段階で作られるもので、仕様の一部を満たしていなかったり、既知の不具合(エラッタ)があったり、まだ信頼性の試験が終わっていなかったりすることがあります。それでも、顧客は早くから自社の機器にESを載せて、ソフトウェアの開発や基板の設計を並行して進められます。
その後、信頼性の試験(認定試験)を終え、製造の条件が固まった段階でCSが提供され、顧客の最終的な評価を経て、量産品(MP:Mass Production)の出荷が始まります。CPUやGPUでは、設計の改訂を表すステッピング(A0、B0など)ごとにESが作られることもあります。車載向けでは、AEC-Q100などの認定試験の完了が、量産の前提になります。