PPAとは、半導体のチップや回路、製造プロセスの良さを評価する3つの軸、Power(消費電力)、Performance(性能・速さ)、Area(面積)の頭文字をとった言葉です。チップの設計でも、新しいプロセスの発表でも、「どれだけ速く、どれだけ電力が少なく、どれだけ小さくなったか」がPPAとして示されます。最近はこれにCost(コスト)を加えて、PPACと呼ぶこともあります。
3つの軸はトレードオフの関係にあります。電圧を上げたり、大きなトランジスタを使ったりすれば速くなりますが、電力と面積が増えます。電力を下げるために電圧を下げれば、速さは落ちます。設計者は、製品の目的に合わせて、どの軸を優先するかを決めます。スマートフォン向けのチップでは電力、サーバー向けのCPUやAIのチップでは性能、低価格の製品では面積(コスト)が重視されやすくなります。
ファウンドリが新しいプロセスを発表するときには、前の世代と比べて「同じ電力なら性能が何%上がる」「同じ性能なら電力が何%下がる」「面積が何%小さくなる(密度が何倍になる)」という形でPPAの改善を示すのが一般的です。EDAのツールは、論理合成や配置配線の過程で、目標のPPAを満たすように回路を最適化します。プロセスと設計を一緒に最適化するDTCOも、PPAを改善するための取り組みです。