最終更新 2026-10-19

SPICEとは(回路シミュレーション)

SPICE (Circuit Simulation)

SPICEとは、トランジスタや抵抗、コンデンサでできた電子回路の電圧と電流の変化を、コンピュータで計算して予測する回路シミュレーションのプログラムと、その方式の総称です。1970年代にカリフォルニア大学バークレー校で開発されました。ファウンドリが提供するトランジスタのモデルを使い、アナログ回路の設計に欠かせません。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)とは、トランジスタや抵抗、コンデンサなどでできた電子回路の電圧と電流が、時間とともにどう変化するかを、コンピュータで計算して予測する回路シミュレーションのプログラム、およびその方式の総称です。1970年代初めにカリフォルニア大学バークレー校で開発され、ソースコードが公開されたことで世界中に広まり、現在のアナログ回路の設計の標準になっています。

SPICEでは、回路の部品と接続をネットリストという文字の形式で記述し、各部品の電気的な振る舞いを数式のモデルで表します。特にトランジスタは、電圧と電流の複雑な関係を表すためのモデル(BSIMなど)と、プロセスごとの数百もの値(モデルパラメータ)を使って表現します。これらのモデルは、ファウンドリがPDKの一部として提供します。計算では、直流の動作点、周波数ごとの特性(AC解析)、時間の変化(過渡解析)などを求めます。

アナログ回路やRF回路、電源の回路の設計、標準セルやSRAMの特性を調べる作業(キャラクタライズ)、配線の寄生成分を含めた最終的な確認などに欠かせません。ただし、トランジスタ1つ1つの振る舞いを細かく計算するため、大規模なデジタル回路全体を計算するには時間がかかりすぎます。そのため、デジタル回路の検証には論理シミュレーションや静的タイミング解析が使われ、SPICEは精度が必要な部分に使い分けられます。商用のツールには、HSPICE、Spectre、Eldoなどがあります。

図解

ネットリストによる回路の記述、トランジスタモデルの読み込み、解析の実行、波形の確認までのSPICEの流れ
配線の寄生成分を抽出して加えると、最終的なレイアウトに近い結果が得られる。

よくある質問(FAQ)

SPICEとデジタルの論理シミュレーションの違いは何ですか?
SPICEは、トランジスタ1つ1つの電圧と電流を連続的な値として細かく計算するため、精度が高い一方、計算に時間がかかります。論理シミュレーションは、信号を0と1の値として扱い、回路の論理の動作だけを確かめるため、大規模なデジタル回路でも高速に計算できます。目的に応じて使い分けます。
SPICEのモデルはどこから入手するのですか?
チップを作るファウンドリが、製造プロセスの特性に合わせて作ったトランジスタのモデルとパラメータを、PDK(プロセス設計キット)の一部として設計者に提供します。ディスクリートの部品やICについては、部品メーカーが自社製品のSPICEモデルを公開していることもあります。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. Synopsys「What is Circuit Simulation?」(2026/10/19 確認)