ビニング(選別)とは、半導体チップをテストの結果に応じて複数の区分(ビン)に分類することです。単に良品と不良品に分けるだけでなく、不良の種類や、動作周波数・消費電力などの性能の違いによっても分類します。ビンという名前は、テストハンドラーが試験後のチップを結果ごとに別々の箱(bin)に振り分けていたことに由来します。
ビンには大きく2つの種類があります。(1)ハードビン:物理的な振り分け先に対応する大まかな区分で、良品・不良品・再試験などの数種類です。(2)ソフトビン:どのテスト項目で不合格になったかを細かく記録する区分で、数十〜数百種類に及ぶこともあります。ソフトビンの集計は、どの不良が多いかを示す歩留まり解析の基本データになります。ウェハテストではダイごとのビンがウェハマップとして記録されます。
性能によるビニングの代表例がCPUやGPUのスピードビニングです。同じ設計・同じ製造工程で作ったチップでも、製造ばらつきによって安定して動作できる最高周波数や消費電力に差が出ます。そこで試験で各チップの性能を測り、高い周波数で動くものを上位の製品、そうでないものを下位の製品として販売します。一部のコアが不良のチップでも、そのコアを無効化して下位製品として出荷する方法も広く使われています。
ビニングは製品の収益性にも直結します。上位のビンに入るチップの割合が増えれば、同じウェハからより高く売れる製品が多く取れるためです。一方で、ビンの判定基準が甘ければ不良品や性能不足の製品が流出するため、基準にはテスタの測定誤差や温度・電圧の変動を見込んだ余裕(ガードバンド)を設けます。LEDやパワー半導体でも、明るさや特性の違いによるビニングが行われています。