XRF(X-ray Fluorescence:蛍光X線分析)とは、試料にX線を当てたときに試料から出てくる、元素ごとに決まったエネルギーのX線(蛍光X線)を測って、含まれる元素の種類と量を調べる分析方法です。X線が原子の内側の電子をはじき出すと、外側の電子がその空いた場所に落ち、エネルギーの差に相当するX線を放ちます。このエネルギーは元素ごとに固有なので、どの元素がどれだけあるかがわかります。試料を壊さずに短時間で測れるのが大きな利点です。
半導体の製造では、XRFは主に金属の膜の厚さや組成の測定に使われます。めっきやスパッタで付けた銅・タングステン・コバルトなどの膜、はんだのバンプ、合金の膜について、蛍光X線の強さから厚さや成分の割合を求め、ウェハ上の多数の点を自動で測るインラインの計測装置として使われます。蛍光X線のエネルギーを検出器で直接測るエネルギー分散型(ED-XRF)と、結晶で波長を分けて測る波長分散型(WD-XRF)があり、後者は分解能と精度に優れます。
ウェハの表面のごく微量の金属汚染を測るには、全反射蛍光X線分析(TXRF)が使われます。X線をウェハの表面すれすれの角度で当てて全反射させると、X線が内部に入らず表面の原子だけを効率よく励起するため、1cm²あたり10⁹〜10¹⁰個程度の原子の金属汚染を検出できます。さらに、ウェハ表面の汚染をフッ酸の蒸気で溶かして1点に集めてから測る方法(VPD-TXRF)で、より高い感度を得ます。洗浄や装置の汚染の管理に欠かせない手法です。