キャリア(電荷キャリア)とは

Charge Carrier

最終更新:2026-09-28・ライフタイム測定装置・シート抵抗測定装置|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

キャリア(電荷キャリア)とは?

キャリアとは、半導体の中で電荷を運び電流を流す粒子のことで、負の電荷を持つ電子と正の電荷を持つ正孔(ホール)の2種類があります。数はドーピングで決まり、シリコンでは真性キャリア密度約10¹⁰cm⁻³を10¹⁵〜10²⁰cm⁻³まで増やします。導電率はキャリア濃度と移動度の積で決まり、シリコンでは電子が正孔の約3倍動きやすい性質があります。

定義・解説

キャリアとは、半導体の中で電荷を運んで電流を流す粒子のことで、正式には電荷キャリアと呼びます。半導体のキャリアには、負の電荷を持つ電子と、電子が抜けた跡が正の電荷を持つ粒子のように振る舞う正孔(ホール)の2種類があります。n型半導体では電子が多数キャリア、正孔が少数キャリアとなり、p型半導体ではその逆になります。

キャリアの数(キャリア濃度)は、ドーピングと温度で決まります。シリコンの真性キャリア密度は室温で約1×10¹⁰cm⁻³とわずかで、ドーピングによってこれを10¹⁵〜10²⁰cm⁻³程度まで増やします。キャリアの動きやすさは移動度で表し、シリコンでは電子(約1,400cm²/V·s)が正孔(約450cm²/V·s)の約3倍動きやすいため、同じ大きさならnMOSのほうがpMOSより大きな電流を流せます。導電率はσ=q(nμₙ+pμₚ)で表され、キャリア濃度と移動度の積で決まります。キャリアの流れには、電界に引かれるドリフトと濃度差で広がる拡散があり、電子と正孔が出会って消える再結合や、欠陥の準位への捕獲(キャリアトラップ)も素子の特性を左右します。

MOSFETでは、ゲート電圧でチャネルにキャリアを集めて電流をオン・オフします。pn接合ダイオードや太陽電池、LEDでは、少数キャリアの注入と再結合が動作の中心です。キャリアが再結合するまでの平均時間をライフタイムと呼び、ウェハの結晶品質や金属汚染の評価にも使われます。なお、半導体製造の現場ではウェハを入れて運ぶ容器(FOUPやカセット)もキャリアと呼ぶため、文脈で区別する必要があります。

よくある質問(FAQ)

多数キャリアと少数キャリアの違いは何ですか?▾
半導体の中で数が多いほうのキャリアを多数キャリア、少ないほうを少数キャリアと呼びます。n型半導体では電子が多数キャリアで正孔が少数キャリア、p型半導体では正孔が多数キャリアで電子が少数キャリアです。MOSFETは多数キャリア、バイポーラトランジスタや太陽電池は少数キャリアの振る舞いが動作の鍵になります。
半導体工場で「キャリア」と言うと何を指しますか?▾
物理の文脈では電子や正孔などの電荷キャリアを指しますが、製造現場ではウェハを収納して運ぶ容器(FOUP、カセット、FOSBなど)をキャリアと呼ぶことがあります。容器を洗浄する装置はキャリア洗浄装置と呼ばれます。

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