CDU(冷却液分配ユニット)とは、データセンターの液冷で、サーバーに送る冷却液の温度・流量・圧力を管理し、建物側の冷却水との間で熱を受け渡す装置です。GPUなどのAI向け半導体は1個あたりの発熱が非常に大きく、空気では冷やしきれないため、チップに冷却板(コールドプレート)を直接当てて液体で冷やす方式が広がっており、その中核になる設備です。
CDUの中には熱交換器・ポンプ・フィルター・センサー・制御装置が入っています。サーバー側を流れる冷却液(二次側)は、建物の冷却水(一次側)と熱交換器で分けられており、二次側の水質と温度を一定に保ちながら、サーバーで受け取った熱を一次側の冷却水へ移します。二次側を独立させることで、高価なサーバーに不純物や圧力変動を持ち込まない仕組みです。
設置の形態によって、ラックの中に組み込むラック内CDU(インラックCDU)と、複数のラックに冷却液を配る列単位・床置きのCDUがあります。ラック間や列単位で分配する形態は、メーカーによってはインターCDUなどと呼ばれることもあります。熱を最終的に空気へ逃がす液体-空気型のCDUは、建物に冷却水の設備が無い場所でも液冷を導入できます。
半導体の製造装置でも、チャンバーや電極、レーザー光源などを一定温度に保つためにチラーやPCW(プロセス冷却水)が使われており、熱交換と温度制御という仕組みはCDUとよく似ています。そのため、チラーや温調機器を手がけるメーカーが、データセンター向けのCDUに参入する例もあります。
AI向けのGPU・HBMの消費電力の増加にともない、ラック1本あたりの消費電力は数十kWから100kWを超える水準に達しつつあり、液冷とCDUは、半導体の性能を引き出すための周辺インフラとして重要性を増しています。