用語トランジスタ(個別半導体)最終更新 2026-10-10出典 1件Excel・PDF版

相互コンダクタンス(gm)とは

Transconductance

相互コンダクタンス(gm)とは、トランジスタの入力の電圧のわずかな変化に対して、出力の電流がどれだけ変化するかを表す値で、増幅の力を決める最も基本の値です。増幅率はgmと負荷抵抗の積で、遮断周波数fTもgmに比例します。同じ電流ではバイポーラのほうがMOSより大きなgmが得られます。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

相互コンダクタンス(gm)とは、トランジスタの入力の電圧のわずかな変化に対して、出力の電流がどれだけ変化するかを表す値です。MOSトランジスタではゲートの電圧の変化に対するドレイン電流の変化(gm=ΔId/ΔVgs)、バイポーラトランジスタではベースの電圧に対するコレクタ電流の変化で表し、単位はS(ジーメンス)です。

相互コンダクタンスは、トランジスタが信号をどれだけ増幅できるかを決める最も基本の値です。増幅回路の電圧の増幅率はおおよそ gm と負荷の抵抗の積で決まり、トランジスタが速く動ける上限の周波数(遮断周波数 fT)も gm をゲートの容量で割った値に比例します。MOSトランジスタでは、移動度が高いほど、ゲート絶縁膜が薄いほど、チャネルの幅が広く長さが短いほど gm が大きくなります。

同じ電流を流したときの gm は、バイポーラトランジスタのほうが大きくなります。バイポーラでは gm=Ic/VT(室温でVTは約26mV)なのに対し、MOSトランジスタの飽和領域では gm=2Id/(Vgs−Vth) で、ゲートの電圧にかける余裕(Vgs−Vth)が通常は数百mVあるためです。アナログ回路の設計では、電流あたりの gm(gm/Id)を指標にして、消費電力と性能のバランスを決める方法がよく使われます。

図解

相互コンダクタンスの定義とMOS・バイポーラの式、増幅率と遮断周波数との関係
式は代表的な近似で、微細なトランジスタでは補正が要る。

よくある質問(FAQ)

相互コンダクタンスが大きいと何が良いのですか?
同じ入力の電圧の変化で、より大きな電流の変化が得られるため、増幅率を大きくでき、速く動く(遮断周波数が高い)回路を作れます。オペアンプや高周波の増幅回路では、必要な gm をどれだけ少ない電流で得られるかが、性能と消費電力のバランスを決めます。
MOSとバイポーラで gm が違うのはなぜですか?
バイポーラトランジスタの電流は入力の電圧に対して指数関数的に増えるため、gm=Ic/VT(VTは室温で約26mV)と大きくなります。MOSトランジスタは飽和領域で電流が電圧の2乗に比例するため、gm=2Id/(Vgs−Vth) となり、同じ電流ではバイポーラより小さくなります。

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 群馬大学 松田順一「アナログ用MOSFET動作の基礎 ーダイナミックと小信号動作モデルの考え方ー」(2026/10/10 確認)