トムソン散乱とは、光(電磁波)が自由な電子によって散乱される現象です。この性質を使い、プラズマにレーザー光を当てて、電子で散乱された光を分析することで、プラズマの中の電子の密度と温度を測る方法をレーザートムソン散乱法と呼びます。
散乱された光の強さは電子の数(電子密度)に比例し、散乱光の波長の広がりは、電子が動く速さ(電子温度)によるドップラー効果で決まります。そのため、散乱光のスペクトルを測ると、電子密度と電子温度を同時に、しかもプラズマに何も差し込まずに求められます。プラズマに金属の探針を差し込んで測るラングミュアプローブと違い、プラズマを乱さず、反応性のガスの中でも測れるのが利点です。
一方で、電子による散乱はとても弱く、強いレーザーと高感度の検出器が必要で、装置も大がかりになるため、主に研究開発で使われます。半導体の分野では、エッチングや成膜のプラズマの性質の解明や、シミュレーションの検証に加え、EUV露光装置の光源で、スズのプラズマの電子密度と温度を測り、EUV光を効率よく出す条件を調べるのに使われています。