用語受光素子(フォトダイオード)最終更新 2026-10-10出典 1件Excel・PDF版

アバランシェフォトダイオード(APD・SPAD)とは

Avalanche Photodiode

アバランシェフォトダイオード(APD)とは、降伏電圧に近い逆方向の電圧をかけ、光で生じた電子を衝突電離で雪崩のように数十〜数百倍に増やす高感度のフォトダイオードです。降伏電圧を超えて光子1個を検出できるようにしたSPADは、LiDARやスマートフォンの測距センサーに使われています。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

アバランシェフォトダイオード(APD)とは、光で生じた電子や正孔を、内部で雪崩(アバランシェ)のように増やして、大きな電流として取り出す高感度のフォトダイオードです。降伏電圧に近い大きな逆方向の電圧をかけて使います。

強い電界の中で加速された電子が結晶の原子にぶつかると、新しい電子と正孔のペアを作り(衝突電離)、それらがまた加速されて次のペアを作る、という連鎖が起こります。この仕組みで、光子1個から生じた電子を数十〜数百倍に増やせるため、通常のフォトダイオードでは検出できない弱い光をとらえられます。シリコンのAPDは可視光から近赤外(約400〜1,100nm)に、InGaAsのAPDは光通信の波長(1.3〜1.55μm)に使われます。

降伏電圧を超える電圧をかけて、光子1個で大きなパルスが出るようにしたものをSPAD(単一光子アバランシェダイオード)と呼びます。光子1個を検出できるため、光を当ててから戻るまでの時間で距離を測るLiDAR(dToF方式)や、スマートフォンの測距センサーに使われ、SPADを並べたイメージセンサーも製品化されています。課題は、増やす過程のばらつきによる余分な雑音(過剰雑音)と、降伏電圧が温度で変わるため温度に合わせて電圧を調整する必要があることです。

図解

アバランシェフォトダイオード(APD)とSPADの電圧・出力・用途の比較
シリコンは約400〜1,100nm、InGaAsは光通信の1.3〜1.55μmに使われる。

よくある質問(FAQ)

APDと普通のフォトダイオードの違いは何ですか?
普通のフォトダイオードは、光子1個から最大で電子1個分の電流しか得られません。APDは強い電界の中で衝突電離を起こし、電子を数十〜数百倍に増やせるため、弱い光でも大きな信号が得られます。その代わり、高い電圧が必要で、増やす過程で雑音も増えます。
SPADとは何ですか?
降伏電圧を超える電圧をかけて使うAPDで、光子が1個入っただけで雪崩が一気に起こり、大きなパルスが出ます。光子1個の到着の時刻を正確に測れるため、光が往復する時間から距離を測るLiDARや測距センサーに使われます。1回反応した後は、電圧を下げて雪崩を止める回路が必要です。

設備の製造メーカー

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出典・参考資料

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