直流放電とは、低い圧力の気体の中に置いた2つの電極の間に直流の電圧をかけ、気体を電離させてプラズマを作る放電です。半導体の製造装置で使われるのは、穏やかに光るグロー放電と呼ばれる状態で、金属のターゲットを使うスパッタリング(DCスパッタ)が代表的な用途です。
放電が始まる電圧(放電開始電圧)は、気体の圧力と電極の間の距離の積で決まり、ある値で最小になります(パッシェンの法則)。圧力が低すぎると電子が気体にぶつかる回数が足りず、高すぎると加速される前にぶつかってしまうためです。放電が始まると、マイナスの電極(陰極)の前に電圧の大部分がかかる陰極降下の領域ができ、ここで加速されたイオンが陰極をたたいて原子をはじき出し、同時に出てくる電子(二次電子)が放電を維持します。
直流放電は仕組みが簡単で効率が良い反面、電極が絶縁物だと表面にプラスの電荷がたまって放電が止まってしまうため、酸化物などの絶縁物のターゲットには使えません。その場合は高周波(RF)の放電を使います。また、ターゲットの表面で局所的に大電流が流れるアーク放電が起こるとパーティクルの原因になるため、電圧を短い周期で反転させるパルスDC電源などで抑えます。