用語スパッタリング装置PVD装置最終更新 2026-10-10出典 1件Excel・PDF版

マグネトロンスパッタとは

Magnetron Sputtering

マグネトロンスパッタとは、ターゲットの裏側に磁石を置き、磁場で電子をターゲットの表面近くに閉じ込めて高密度のプラズマを作るスパッタ方式です。低い圧力でも放電が安定し、成膜が速く膜の質も良くなります。ターゲットが溝状に削れる弱点は回転磁石で補い、反応性スパッタやイオン化PVDにも使われます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

マグネトロンスパッタとは、ターゲットの裏側に磁石を置いて、ターゲットの表面近くに磁場をかけたスパッタリングの方式です。半導体の配線やバリアメタルの成膜に使われるスパッタ装置のほとんどがこの方式です。

磁場と電場が交差する場所では、電子が磁力線に巻き付くようにらせんを描きながら、ターゲットの表面に沿って回り続けます(E×Bドリフト)。電子が逃げずに長くとどまるため、気体の分子にぶつかってイオンを作る回数が増え、ターゲットのすぐ前に密度の高いプラズマができます。その結果、0.1〜1Pa程度の低い圧力でも放電が安定し、磁石のない方式より成膜の速さが大きく上がります。圧力が低いと、はじき出された原子が気体にぶつからずにウェハへ届くため、膜の質も良くなります。

弱点は、磁場の形に沿ってターゲットが溝状に削れる(エロージョン)ため、材料の使用効率が低いことと、膜の厚さが不均一になりやすいことです。これを補うため、磁石を回転させて削れ方を均一にしています。金属には直流(DC)、絶縁物には高周波(RF)を使い、窒素などの反応性ガスを入れて窒化チタンを作る反応性スパッタも行われます。微細な穴の底まで膜を付けるため、はじき出した原子もイオン化してバイアスで引き込むイオン化PVDも使われています。

図解

マグネトロンスパッタのカソード構造(プラズマ・ターゲット・バッキングプレート・磁石)
金属はDC、絶縁物はRFの電源を使う。

よくある質問(FAQ)

マグネトロンスパッタで成膜が速くなるのはなぜですか?
磁場で電子がターゲットの表面近くに閉じ込められ、気体の分子にぶつかってイオンを作る回数が大きく増えるためです。ターゲットの前に密度の高いプラズマができ、ターゲットをたたくイオンの量が増えるので、はじき出される原子の量も増えます。
ターゲットが溝状に削れるのはなぜですか?
プラズマの密度が、磁力線がターゲットの表面と平行になる場所で最も高くなり、そこだけが強くたたかれるためです。そのままでは材料の一部しか使えず、膜の厚さも不均一になるため、磁石を回転させて削れる場所を動かしています。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. アルバック「真空の原理と原則 3|マグネトロンスパッタリング」(2026/10/10 確認)