バッキングプレートとは、スパッタリングのターゲット(膜の材料の板)の裏側に貼り合わせて使う土台の板です。ターゲットを装置に固定する機械的な支え、スパッタで生じる熱を冷却水に逃がす放熱、電圧をかける電極という3つの役割を持ちます。材料には、熱と電気をよく通す銅や銅合金、軽いアルミニウム合金などが使われます。
スパッタでは、ターゲットに入る電力の大部分が熱になるため、ターゲットの温度が上がりすぎると、ターゲットが割れたり、接合がはがれたりします。そのため、バッキングプレートの裏側を水で冷やし、ターゲットとの間を熱が伝わりやすい方法で接合することが重要です。接合の方法には、インジウムなどの低い融点のはんだで貼る方法と、高温・高圧で金属どうしを直接つなぐ拡散接合があります。はんだは融点(インジウムで約157℃)を超えると溶けるため、大きな電力をかける300mm用のターゲットでは拡散接合が多く使われます。
バッキングプレートはターゲットと一体で交換されますが、使い終わったターゲットを外して、バッキングプレートを再利用することもあります。ターゲットの材料とバッキングプレートの熱膨張の違いが大きいと、温度の変化で反りやはがれが起こるため、組み合わせる材料の選び方も設計のポイントです。