コリメータとは、ばらばらの方向に進む粒子や光のうち、決まった方向に進むものだけを通して、流れの向きをそろえる部品のことです。半導体の製造では、スパッタリングのターゲットとウェハの間に、蜂の巣のような細い穴が並んだ板(コリメータ)を置き、ウェハに垂直に近い方向に飛ぶ原子だけを通す「コリメートスパッタ」が知られています。
スパッタでターゲットからはじき出された原子は、さまざまな方向に飛び出します。そのままでは、細く深いコンタクトホールに膜を付けようとしても、斜めに飛んできた原子が穴の入口付近に付いてしまい、穴の底にはほとんど膜が付きません。コリメータを通して垂直に近い原子だけを届けると、穴の底まで膜が付きやすくなり、バリアメタル(チタンや窒化チタン)の底の被覆(ボトムカバレッジ)が改善します。この方法は1990年代に、コンタクトの微細化に対応するために使われました。
一方で、コリメータの壁にも膜が付くため、成膜の速さが大きく下がり、コリメータに付いた膜がはがれてパーティクルになるという問題がありました。その後、ターゲットとウェハの距離を大きく離して同じ効果を得るロングスロースパッタや、はじき出した原子をイオン化してウェハ側の電圧で垂直に引き込むイオン化PVDに置き換えられていきました。なお、光学や分析装置では、光やX線を平行にそろえる部品もコリメータと呼びます。