デバイ長とは

Debye Length

最終更新:2026-10-03・エッチング装置・製造プロセス|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

デバイ長とは?

デバイ長とは、動ける電荷が多い物質の中で、ある電荷の影響が周りの電荷によって打ち消される(遮蔽される)距離の目安です。温度が高いほど長く、電荷の密度が高いほど短くなります。半導体製造のプラズマでは0.1mm前後で、壁際のシースの厚さの目安になり、半導体の中ではバンドが曲がる範囲の目安になります。

定義・解説

デバイ長(Debye Length)とは、電荷を持つ粒子が多数ある中に別の電荷を置いたとき、周りの粒子が集まってその電荷の影響を打ち消す(遮蔽する)距離の目安です。オランダの物理学者デバイにちなむ名前で、デバイ遮蔽長とも呼ばれます。この距離より遠くでは電荷の影響がほとんど届かず、物質は全体として電気的に中性に見えます。プラズマ、半導体、電解液など、動ける電荷が多い物質で共通に使われる考え方です。

デバイ長は、温度が高いほど長く、動ける電荷の密度が高いほど短くなり、λD=√(εkT/q²n)で表されます(εは誘電率、kはボルツマン定数、Tは温度、qは電荷、nは密度)。プラズマでは電子の温度と密度で決まり、半導体製造に使うプラズマ(電子温度数eV、電子密度10¹⁰cm⁻³程度)ではおよそ0.1mm前後になります。プラズマと壁の間にできる、電子が少なくイオンが加速される層(シース)の厚さは、デバイ長の数倍から数十倍程度になり、イオンがウェハに当たる向きとエネルギーを決めます。気体の電離した状態が「プラズマ」として振る舞うには、その広がりがデバイ長より十分大きいことが条件の1つです。

半導体の中では、ドーパントから生じたキャリアが電荷を遮蔽し、その距離を外因性デバイ長と呼びます。たとえばシリコンでドーパント濃度が10¹⁶cm⁻³なら約40nmで、濃度が高いほど短くなります。デバイ長は、表面や接合の近くでバンドが曲がる範囲の目安となり、MOS構造の容量の計算や、空乏層の端でキャリアの濃度がどれだけなだらかに変わるかを考えるときに使われます。SemiraiのプラズマパラメータツールでプラズマのDebye長を試算できます。

よくある質問(FAQ)

デバイ長とシースの関係は何ですか?▾
プラズマが壁やウェハに接するところには、電子が少なくイオンが加速される層(シース)ができ、その厚さはデバイ長の数倍から数十倍程度になります。シースの厚さと電圧は、イオンがウェハに当たる向きとエネルギーを決め、エッチングの形状に影響します。
半導体のデバイ長はどのくらいですか?▾
ドーパントの濃度で変わり、シリコンでドーパント濃度が10¹⁶cm⁻³なら約40nmです。濃度が高いほど短くなります。表面や接合の近くでバンドが曲がる範囲の目安として、MOS構造などの解析に使われます。

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