TEG(テストエレメントグループ)とは、半導体の製造工程や設計ルールが狙いどおりに仕上がっているかを電気的に評価するために、ウェハ上に作り込む評価専用のテストパターン群です。トランジスタ単体・抵抗・コンタクトやビアを直列につないだチェーン・配線の櫛形パターンなどで構成され、英語圏ではテストストラクチャやPCM(Process Control Monitor)、台湾ではテストキーとも呼ばれます。
製品チップの回路は、外部から内部の個々の素子に直接アクセスできません。ウェハテストで分かるのは「動いたか、動かなかったか」までで、しきい値電圧がどれだけずれたのか、どの層の抵抗が高いのかは読み取れません。TEGは、素子や配線を単体で取り出して専用のパッドにつなぐことで、こうした物理量を直接測れるようにした構造です。
TEGの置き場所は主に2つあります。1つは製品ウェハのチップ間にあるスクライブライン(ダイシングで切り落とされる領域)で、製品と同じ条件で作られたTEGを全ロットで測定し、工程の出来栄えを監視します。ファウンドリではこの測定をWAT(Wafer Acceptance Test)と呼び、ロットの出荷判定や顧客への提出データに使います。もう1つはウェハ全面をTEGにした評価用ウェハやTEGチップで、新プロセスの立ち上げ、デバイスモデルの抽出、信頼性評価に使われます。
測定はウェハプローバーとパラメトリックテスタ(直流の電流-電圧特性や容量-電圧特性を高精度に測る装置)で行います。トランジスタのTEGからはしきい値電圧・オン電流・オフリーク電流を、抵抗のTEGからはシート抵抗やコンタクト抵抗を、ビアチェーンや櫛形・蛇行パターンからは断線・短絡の有無と欠陥密度を取得します。こうしたデータは、回路設計に使うSPICEモデルやデザインルールの根拠にもなります。
TEGの価値は、不良が起きたときに原因の工程を切り分けられることにあります。製品の歩留まりが落ちたとき、同じウェハのTEGでビアチェーンの抵抗が上がっていれば配線工程、トランジスタ特性がずれていればイオン注入や熱処理というように、疑うべき工程を絞り込めます。一方で、スクライブラインは幅が限られTEGを置ける数に制約があること、ダイシングで切断されるため後から再測定できないことなどの制約もあります。